2019年5月16日木曜日

閉塞型睡眠時無呼吸:薬物療法の可能性

アトモキセチン:先発製品名 ストラテラ(日本ではAD/HD治療薬 神経終末のノルアドレナリントランスポーターに対する選択的阻害作用が関与していることが可能性としては考えられるものの、明確な機序は不明)
オキシブチニン:先発製品名 ポラキス (平滑筋に対する直接的鎮痙作用と節後線維 のコリン作動部位においてアセチルコリン阻害作用を持つ)

前者さすがに使用したことないが、レスポンダーの比率とその反応性をみると期待できる治療法
ただ、素人が手を出しにくい薬剤であるアトモキセチン





ランダム化プラシーボ対照二重盲検交叉トライアル
atomoxetine 40mg + oxbutynin 5mg (ato-oxy) vs プラシーボ


The Combination of Atomoxetine and Oxybutynin Greatly Reduces Obstructive Sleep Apnea Severity. A Randomized, Placebo-controlled, Double-Blind Crossover Trial
Luigi Taranto-Montemurro,  et al.
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Volume 199, Issue 10, Page 1267-1276, May 15, 2019.

被験者 53 (46-58)歳、BMI 34.8 (30.0-40.2)

ato-oxy にて AHI 63% (34-86%) 減少 (  28.5 (10.9–51.6) events/h → 7.5 (2.4–18.6) events/h (P < 0.001)

個別効果:プラシーボでのOSA患者(AHI > 10 events/h) 20名中15名で、AHI 低下 74% (62-88%)  (P < 0.001) 、低下全例50%以上低下



Genioglossus responsiveness(頤舌筋反応性)はプラシーボの 2.2 (1.1 - 4.7)%/cm H2)から ato-oxyで6.3 (3.0 to 18.3)%/cm H2)へ、約3倍増加 (P < 0.001)

atomoxetineもoxybutyninも別々に投与してもAHI減少せず



頤舌筋の筋電図(EMG GG):筋内2電極挿入+PSGとシールされた口鼻マスクにpneumotachometer装着し正確な気流測定、さらに、呼吸努力測定としてPes(食道内フラキシブル圧tipカテーテル)測定






序文手抜き
最近まで、内因性セロトニンの使用中止は、睡眠中の性舌筋電図筋活動(EMG GG))の喪失の重要なメカニズムと考えられていました。しかしながら、これらのデータは迷走神経支配除去動物実験に基づいており、そしてセロトニン作動性メカニズムは無傷の動物およびヒトにおける性舌筋活動に最小限の影響しか及ぼさないように思われる。

内因性ノルアドレナリン作動性駆動の睡眠に関連した離脱は、特に眼球運動不振(NREM)睡眠中の主な原因であり、活発なムスカリン抑制は、特にREM中に咽頭低緊張を仲介する。

実際、我々のヒトでの研究は、ノルアドレナリン作用薬デシプラミン(三環系抗うつ薬、TCA)の投与が、NREM睡眠中の性舌筋活動および上気道虚脱性を中程度に改善し、患者のサブグループにおけるOSA重症度を低下させることを示した。ノルアドレナリン作動性を有する別のTCA、プロトリプチリンは、以前に観察研究および無作為化対照試験またはOSAの治療で調査された。 結果は一貫しておらず、一部の患者は客観的および主観的改善を経験し、他の患者はOSA重症度に変化を示さなかった。
特に、これらのTCAは、ドーパミン作動性、セロトニン作動性、抗ムスカリン性および抗ヒスタミン作動性作用を含む広い範囲の非特異的な活性範囲を有する。

 抗ムスカリン薬と組み合わせた特定のノルアドレナリン作動性プロファイルを有する薬剤が、性舌筋活動の実質的な増加をもたらし、OSAの重症度を改善するかどうかは依然として不明である。

したがって、OSAの重症度と頤舌筋反応性に対する抗ムスカリン薬(オキシブチニン)と組み合わせて投与された強力な選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(アトモキセチン)の効果を評価するために、無作為化プラセボ対照二重盲検交差試験を実施しました。





NREM睡眠期自発呼吸中の筋の反応性は、食道内圧のswing変化あたりの頤舌筋筋電図の変化を反映する
薬物治療で反応性増加を示す
パネルBは生データで、食道内圧のswing増大に伴い頤舌筋の活動性が増加し、気流回復を示す


低炭水化物食と心房細動発症リスク

ARIC (Atherosclerosis Risk in Communities) Studyにおける炭水化物食と心房細動発生リスクの関連性

前向きコホート研究群を用いてはいるが、Cox比例ハザード解析に基づく、あくまでも後顧的検討内の話

米国心臓病学会(ACC 2019、3月16〜18日、米ニューオーリンズ)で発表の論文
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2019/029016.php




Low‐Carbohydrate Diets and Risk of Incident Atrial Fibrillation: A Prospective Cohort Study
Shaozhao Zhang , et al.
https://doi.org/10.1161/JAHA.119.011955
Journal of the American Heart Association. 2019;8


低炭水化物食状況下の炭水化物の特異的な食事源(動物 vs 植物ベース)への置き換え影響を検討
フォローアップ中央値 22.4年間、心房細動発生 1803例(13.5%)

全摂取エネルギーに対する炭水化物比率 1%増加あたり、心房細動発生1-SD (9.4%)増加ハザード比は、従来の心房細動リスク要素や他の食事要素補正後  0.82 (95% CI, 0.72–0.94

炭水化物食摂食4分位個別カテゴライズ後も結果は同様 (ハザード比, 0.64; 95% CI, 0.49–0.84; 両極端4分位比較)





炭水化物代替としたタンパク質や脂肪の種類とAF発症のリスクとの間に関連性は見られず





例により 論文序文
心房細動(AF)は、臨床診療において最も一般的な不整脈であり、推定生涯リスクは25%である。
AFは罹患率、死亡率、および経済的コストの大幅な増加に関連しているため、この疾患の予防戦略を提供するためのステップとして、食事要因などの修正可能な危険因子を認識することが重要です。
タンパク質や脂肪の摂取量を増やすために炭水化物の摂取量を制限する低炭水化物食は、短期間の体重減少を誘発する能力があるため、かなりの人気を得ています
それにもかかわらず、炭水化物制限の長期的影響は、特に心血管疾患への影響において、依然として物議をかもしています
最近、5大陸にわたる18カ国からの135 335人の参加者を対象とした2017年の2017 PURE (Prospective Urban‐Rural Epidemiology) 研究で、炭水化物摂取量の増加は総死亡リスクの増加と関連していたが、心血管疾患(心筋梗塞、脳卒中、および心不全)や心血管死亡率リスク増加とは関連せず。
大規模コホートに関するもう1つの最近の研究であるARIC (Atherosclerosis Risk in Communities) 研究では、炭水化物摂取量と総死亡率の間にU字型の関連性が報告されました。
 しかし、我々の知る限りでは、炭水化物摂取量と偶発的なAFのリスクとの関係を調べた研究はない。その結果、炭水化物の摂取量とインシデントAFの関連を評価するためにARIC Studyデータセットを分析しました。




なんだか、納得できない記載も・・・

制限すると体内の水分が排出されて短期間で減量できるが、同時に脱水状態にも陥りやすく、これが心房細動を引き起こす可能性があるという。また、糖質制限食は電解質異常をもたらし、心臓の拍動リズムにも影響する可能性があるとしている。
 一方、Zhuang氏らは、糖質制限食を取り入れている人たちでは、炎症の抑制に働くとみられる野菜や果物、穀類の摂取量が少ない傾向にあることを指摘し、「こうした人たちでは、心房細動に関与する炎症レベルが高いのではないか」と推測している。なお、Epstein氏は「糖質制限を行っていた理由も重要だ」
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2019/029016.php

特に解説前段・・・ 後段が正しいとしたら低Carb.のやり方次第ということにも

2019年5月15日水曜日

未診断・閉塞型睡眠時無呼吸の術後心血管イベントリスク

未診断閉塞型睡眠時無呼吸と非心臓系重大手術後の30日心血管合併症

5ヶ国8病院、1218名の閉塞型睡眠時無呼吸事前診断なしのリスク状態の患者の前ムココホート:2012年1月〜2017年7月まで、フォローアップ2017年8月まで
術後モニタリング夜間パルスオキシメトリーと心筋トロポニン濃度

REI (Respiratory Event Index (REI): – # of apneas + hypopneas per hour of monitored time):被検者装着モニタリング中の指数 5-14.9、 15-30、30超で分け分類

主要アウトカム・測定:
一次アウトカム:心筋障害、心臓死、心不全、血栓塞栓、心房細動、卒中(術後30日間)
比例ハザード解析にて閉塞型睡眠時無呼吸と術後心血管合併症関連性検討



Association of Unrecognized Obstructive Sleep Apnea With Postoperative Cardiovascular Events in Patients Undergoing Major Noncardiac Surgery
Matthew T. V. Chan,  et al.; for the Postoperative Vascular Complications in Unrecognized Obstructive Sleep Apnea (POSA) Study Investigators
JAMA. 2019;321(18):1788-1798. doi:10.1001/jama.2019.4783
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2733209


研究登録 1364名、解析は1218名(平均年齢, 67 [SD, 9]歳 ; 女性 40.2%)

術後30日において、プライマリアウトカム発生率

  • 重症OSA 30.1% (41/136)
  • 中等度OSA  22.1% (52/235) 
  • 軽度OSA 19.0% (86/452)
  • 非OSA 14.2% (56/395)



OSAはプライマリアウトカムリスク増加と相関 (補正ハザード比 [HR], 1.49 [95% CI, 1.19-2.01]; P = .01); しかし、この相関は重度OSA患者のみ有意 (補正 HR, 2.23 [95% CI, 1.49-3.34]; P = .001) で、中等度 OSA (adjusted HR, 1.47 [95% CI, 0.98-2.09]; P = .07) or 軽症 OSA (adjusted HR, 1.36 [95% CI, 0.97-1.91]; P = .08) (P = .01 for interaction)では相関認めず

初回術後連続3日夜間の平均酸化ヘモグロビン不飽和度 80%未満累積平均時間が心血管合併症ありの患者では、心血管合併症発症無しより長い  (23.1 [95% CI, 15.5-27.7] 分間) vs 10.2 [95% CI, 7.8-10.9] 分間) (P < .001)

周術アウトカムの有意相互作用は麻酔の種類には依存せず、同様、手術オピオイド、酸素負荷治療にも依存せず


結論:重大非心臓手術リスク成人において、未認識重度閉塞型睡眠時無呼吸は有意に30日間の心血管合併症発症リスクと関連する。





<序文 Google翻訳>
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、睡眠障害呼吸の最も一般的なタイプであり、睡眠中の咽頭虚脱と覚醒の間の周期的変化によって特徴付けられます。
その結果、夜間低酸素症、高炭酸ガス血症、内皮機能不全、凝固亢進、および交感神経過活動の再発性の症状があります。
 一般集団では、OSAは高血圧、心筋虚血、心不全、不整脈、脳卒中、突然の心臓死などの心血管系合併症のリスクが高いことと関連しています。
全身麻酔薬、鎮静薬、術後鎮痛薬は、上気道拡張筋を弛緩させ、低酸素血症や高炭酸ガス血症に対する換気反応を損なう強力な呼吸抑制剤です。
 これらの事象はそれぞれOSAを悪化させ、患者に術後の心血管合併症を起こしやすくします。この点で、OSAの周術期の管理ミスは深刻な医療法上の結果をもたらしています。しかし、最近の大規模データベースリポジトリの分析は矛盾する結果を示しました。選択したエンドポイントに応じて、OSAは手術後の不良、あいまいな、またはより良い転帰1と関連していました。認識されていないOSAが術後の転帰に悪影響を及ぼすかどうかは不明である。
</序文 Google翻訳>

ではどうしたらよいか?
術後3日間の酸素療法で術後心血管イベント改善しなかった
酸素飽和度 80%未満の重度低酸素飽和度期間により積極的な手段をとるのか、今後の課題




2019年5月14日火曜日

アナフィラキシーショック治療エピネフリン過剰投与後心電図異常・・・考えられる病態は?

アナフィラキシーショックを目の当たりにしたら慌てるので常日頃脳内シミュレーションが必要だろう

やや非定型な症候群だが、エピネフリン静注後心電図異常など見た場合は念頭に置く必要があろう


勉強になったなぁ




間歇的胸部絞扼症状評価のためのCT血管造影中、息切れ・喘鳴、紅潮、意識消失あり、脈 50 bpm 血圧 60/45のショックへ エピネフリン静注(1:1000) 1mg ivボーラス
その後II,III,aVFのST上昇、I,aVL, V1-3のST低下





その後CCU入室、電解質・心筋逸脱酵素正常

デキサメサゾン 5mg ivにて症状改善、ST上昇16分間で改善し冠動脈痙攣と診断
ベッドサイド心エコーで LVEF 67%、壁運動異常認めず、CTAで冠動脈有意狭窄無く
troponin I 値 0.091で48時間までに減少



Electrocardiographic Changes After Overdose of Epinephrine in a Patient With Anaphylaxis
Kounis Syndrome or Epinephrine?
Chunyan Jiang, et al.
JAMA Intern Med. Published online May 13, 2019. doi:10.1001/jamainternmed.2019.1230

Kounis Syndrome (KS)は、薬剤・書物・他のトリガーにより誘発された過敏性冠動脈疾患(1991年, Kounis and Zavrasらの初回記載)
ヒスタミン遊離により誘発された冠動脈痙攣による"アレルギー性狭心症の症状”で、アレルギーもしくはアナフィラキシー障害による状況でマスト細胞活性化に関連する急性冠症候群(ACS: 冠動脈痙攣、プラーク破裂、ステント血栓)と同時発生と定義。ヒスタミン、PAF、各種サイトカイン、ケモカインなど炎症性メディエータ遊離により冠動脈痙攣を生じ(type 1 variant)、心筋酵素逸脱増加の有無ともに存在。


アナフィラキシーの診療中に胸痛などの症状を認めた場合には、本合併症を疑い適切な処置を行う必要
https://www.imic.or.jp/literature/1603/



エピネフリンの副作用で成人では 0.01 mg/kg (1:1000: 1mg/ml)で最大 0.5mgなので副作用の可能性

さらに鑑別としては、たこつぼ症候群(突然発症、一過性の左室壁以上、ACSと共通所見:症状、心電図変化、心筋バイオマーカーなど)だが、三時間後経胸壁心エコーで発症後3時間後壁運動異常認めず、除外

他の過敏性関連冠動脈症候群としては、ATAK(adrenaline ,Takotsubo、anaphylaxix、and KS)

ATAKは挑戦的な現代的な複合施設であることが強調されています。 アナフィラキシー反応は、肥満細胞などの炎症細胞の活性化によってKSを誘発することがあります。 これらの細胞は、カテコールアミンの放出を刺激するヒスタミンなどの炎症メディエーターを放出します。 さらに、アナフィラキシープロセスの間にレニン - アンジオテンシン - アルドステロン系によって放出される代償性カテコールアミン、ならびにアナフィラキシーショックの血行力学的補助のためのエピネフリンの投与もまた、血漿中カテコールアミンのレベルを増加させ、それはTTSを誘発しそしてこの悪循環を永続させ得る。






2019年5月10日金曜日

ヒ素暴露:左室肥大など左室形態・左室機能へ及ぼす悪影響

若年成人に於けるヒ素汚染と心ジオメトリーと左室機能


population-based Strong Heart Family Study(SHGS) cohort
1337名の若年成人(糖尿病や心血管疾患認めず)

ベースラインでの無機ヒ素とメチル化ヒ素 の総量(ΣAs) をヒ素汚染のバイオマーカーとして左室ジオメトリーと左室機能フォローアップ検討



Association of Arsenic Exposure With Cardiac Geometry and Left Ventricular Function in Young Adults
Evidence From the Strong Heart Family Study
Gernot Pichler , et al.
https://doi.org/10.1161/CIRCIMAGING.119.009018
Circulation: Cardiovascular Imaging. 2019;12
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCIMAGING.119.009018

平均フォローアップ5.6年間、中央値(IQR) ΣAs: 4.2 (2.8 - 6.9) μg/gCr
ヒ素暴露 2倍増加に伴い 
全登録者について、左室肥大 オッズ比(95% CI)  1.47 (1.05 - 2.08)
高血圧/高血圧前症 1.58 (1.04 - 2.41)

LV ジオメトリー測定(LV容積指数、左房収縮期径、左室中隔、左室後壁厚)も各々有意にヒ素暴露と相関

左室機能、1回拍出容量、駆出率はヒ素暴露と相関










例の如く"google 翻訳”序文

無機ヒ素は、地下水、食料、土壌、大気中に見られることが確立されている人間の有毒で発がん性物質です。
 無機ヒ素(iA)への慢性的な曝露は、高血圧、真性糖尿病、頸動脈アテローム性動脈硬化症、末梢動脈疾患などの心血管疾患とその危険因子のリスク増加と関連しています。

 重要なことに、ヒ素曝露は心血管死亡率および有害な心臓事象、特に虚血性心疾患および他の形態の心疾患に関連している。
 しかし、砒素曝露と有害な心臓転帰との関係は完全には理解されていない。無機性の疾患は高血圧と糖尿病、心機能不全の発症の主な危険因子に関連しています。
無機ヒ素が心臓の構造や機能に関連しているのか、あるいは観察された有害転帰がヒ素に曝された個人の心血管代謝プロファイルの悪化に続発するのかは不明である。

心臓の形状と機能、特に左心室の寸法と機能(LV)は、経胸壁心エコー検査(TTE)を使用して確実かつ再現可能に評価できます。

LV肥大(LVH)、LV収縮機能障害、およびLV拡張機能障害は、心疾患の既往歴のある個人および明白な心血管疾患のない人の両方における生存の強力な独立予測因子です。

LVの量と機能のTTEに基づく測定値のベースライン値の大きさまたは方向の変化に続いて、致命的および非致命的な心血管イベントのリスクの対応する変化が続きます。
 さらに、LVH、LVの収縮機能障害、またはLVの拡張機能障害を伴う無症状の患者を対象とした治療は、心不全への自然な進行を遅らせ、その後の罹患率および死亡率を低下させる可能性があります。

したがって、心臓の幾何学的形状および機能の異常なTTEベースの測定は、心不全および有害な心臓転帰の代用として確立されている。それにもかかわらず、心臓の不均衡な成長および心機能の連続的な変化に関与する危険因子および病態生理学的メカニズムは完全には理解されていない。

無機ヒ素は、無症候性アテローム性動脈硬化症、QT間隔の延長、および内皮機能不全の循環マーカーを含む心血管代理のエンドポイントと正の関連がありました24。中央メキシコの小児の小規模横断研究では、ヒ素曝露はより高いLV質量およびより低い収縮機能。

動物実験では、ヒ素への曝露に続いて、筋細胞のアポトーシス、線維症、およびその後のLVHを含む心機能障害が起こることが示されています。
対照的に、心血管疾患のない成人集団におけるLVH、LV収縮機能障害、およびLV拡張機能障害に対するヒ素曝露の潜在的な影響は、これまでに研究されていない。





http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/basic.html
日本では、水道システムの整備に加え、ヒ素に対する事業場からの排出規制や水道水における水質基準の設定により、飲料水に含まれるヒ素の濃度が低く維持されています。したがって、日本人が経口摂取するヒ素のうち、飲料水からの割合は小さく、また、食品からの割合が相対的に大きいと推定されています。
食品からのヒ素の摂取量

MMA:モノメチルアルソン酸、DMA:ジメチルアルシン酸、AB:アルセノベタイン、TMAO:トリメチルアルシンオキシド、無機ヒ素:亜ヒ酸、ヒ酸


無機ヒ素:飲料水、ヒジキ、米等
有機ヒ素:海産動物(アルセノベタイン、脂溶性ヒ素化合物)
海藻類、貝類(アルセノシュガー、脂溶性ヒ素化合物)
無機ヒ素の代謝物(モノメチルアルソン酸(MMA)、ジメチルア
ルシン酸(DMA)等)



2004年に英国食糧規格庁(FSA)は海藻のヒジキに無機ヒ素が大量に含まれているという調査結果に基づいてヒジキを食べないよう国民に勧告しました。世界的にみて日本人の海産物摂取量は多く、中でも有機ヒ素だけでなく無機ヒ素も含有している海藻類はヒ素摂取源として最も重要な食品です。特にヒジキは無機ヒ素の含有割合が高いことが分かっています。厚生労働省によると、先に示した無機ヒ素のPTWIを体重50kgの人の一日量に換算すると107μg(=0.107mg)となり、これはFSAが調査した中で最もヒ素含有量が高いヒジキの4.7gに相当します。日本人のヒジキ摂取量は、一日およそ0.9gであり、平均的な食生活であれば生体への影響はほとんどないと考えられます。
ヒジキについてはコメントが必要です。ヒ ジキなどホンダワラ科の海藻はヒ素濃度が高く、海藻の中では例外的に無機ヒ素の割合が高いのです。こうしたことから2004年に英国では国民に対しヒジキ の摂食を控えるように呼びかけました。一方、わが国の厚生労働省は通常の摂取量の範囲であればWHO/FADの提唱する無機ヒ素の週間耐容摂取量 (PTWI、0.015mg/kg/週)には達しないこと、ヒジキには健康増進効果が期待できること等を理由に、食べ過ぎなければ安全であると強調してい ます。ただし、これは慢性ヒ素中毒を前提とした許容量であることから、発がんリスクを定量的に見積もるべきだとする研究者もいます。いずれにしても、バラ ンスのよい食事をすることが大切です。,,,,当所においてもコンブ、ワカメ、モズク、ノリなどの食用海藻について調べた結果、水溶性ヒ素の大部分は数種のヒ素糖であることを明らかにしてお り、また、海産の二枚貝にはアルセノベタインの他にヒ素糖も含まれていることがわかりました。魚介類や海藻を頻繁に摂取しても慢性ヒ素中毒を発症しないの は、毒性が大変低いこうしたヒ素化学種として含まれていることによると考えられています。北海道の重要な水産物であるホタテガイの貝柱にはアルセノベタイ ンという形で少量含まれているだけですので、食用としての安全性には問題がありません。



日本語で検索される識者の意見は、生体内で検討されてないデータなのでは?


オゾン長期暴露と原因別死亡リスク

10年前の研究( Long-Term Ozone Exposure and Mortality , Michael Jerrett , et al.
 N Engl J Med 2009; 360:1085-1095)ではPM2.5を考慮した場合心血管疾患死亡リスク増加は認めず、呼吸器系死亡リスクのみ増加という結果だったが



今回の報告では、代替モデルや共要素補正(微粒子物質や二酸化窒素)補正で、別の知見が得られた



米国成人成人の大規模前向きコホートであるNIH-AARP NIH-AARP Diet and Health Study 17年間追跡調査 1995−2011年

Long-term Exposure to Ozone and Cause-Specific Mortality Risk in the U.S
Chris C Lim , et al.
https://doi.org/10.1164/rccm.201806-1161OC
PubMed: 31051079
AJRCCM Articles in Press. Published on 03-May-2019

コホート, n= 548,780:国勢調査レベルのオゾン推定値
個別-、国勢調査レベル共役要素補正後、寄与共役大気汚染・気温補正後、多変量解析Cox比例ハザードモデル検討

オゾン長期平均年間暴露量は以下原因死亡率と相関(単一汚染物質もでr

  • 心血管疾患 (per 10 ppb, HR=1.03; 95% CI: 1.01-1.06)
  • 虚血性心疾患 (HR=1.06; 95% CI: 1.02-1.09)
  • 呼吸器疾患 (HR=1.04; 95% CI: 1.00-1.09)
  • 慢性閉塞性肺疾患 (HR=1.09; 95% CI: 1.03-1.15)


代替モデルや共汚染物質(微粒子物質や二酸化窒素)補正後でも認められたが、気温による交絡作用が認められた

長時間オゾン暴露と関連する呼吸器疾患死亡リスク有意増加は高温地域居住者で認める(p- interaction < 0.05)


地球温暖化とオゾンによる悪影響が懸念されるのかな?

対策の効果が出ているのは欧州と北米であり、20世紀を通じて増加の一途をたどっていた地表オゾン濃度が、2000年以降、横ばいか減少を示している。反対に東アジアにおいては観測所も少なく、オゾン濃度は依然として上昇傾向にあり、北米西海岸の一部でも長距離大気輸送が原因で濃度の上昇が見られるという。
http://tenbou.nies.go.jp/news/fnews/detail.php?i=25637


ヨーロッパの対応って?
https://www.eea.europa.eu/
Ozone Depleting Substances:成層圏オゾン層破壊物質に関しては記載があるが・・・
対流圏オゾン増加対応に関しては分からない


対流圏オゾンと成層圏オゾンの違いhttps://www.nies.go.jp/pmdep/ctype/result/ox200705/shiryo2.pdf

2019年5月9日木曜日

内視鏡鎮静:大麻は鎮静薬剤必要量を増加させる

"医療用大麻”をマジックワードにして大麻の市民権を得ようとしている人々がいる

そういう人たちにとって都合の悪い報告をGIZMODOが紹介している
(但し、文中に 、"大麻を医療的に応用できない麻薬として分類し続けて、研究を妨げ遅らせている連邦法のせい"と解説にも書かれているが、"受容体と相互作用"不明のものを薬物として認める方が変だろ...と私は思う)




原著
Effects of Cannabis Use on Sedation Requirements for Endoscopic Procedures
Mark A. Twardowski,  et al.
The Journal of the American Osteopathic Association, May 2019, Vol. 119, 307-311. doi:10.7556/jaoa.2019.052
https://jaoa.org/article.aspx?articleid=2731067


Amount of Required Sedation in Regular Cannabis Users Compared With Nonusers
Amount of Sedation Required P Value
Sedative Cannabis Nonusers (n=225) Cannabis Users (n=25) Greater Requirement, % t Test Mann-Whitney U Test
Fentanyl, μg 109.91 125.93 14 0.029 0.003
Midazolam, mg 7.61 9.15 19.6 <.001 <.001
Propofol, mg 13.83 44.81 220.5 0.026 0.001

大麻を使用していると鎮痛剤が効くのに2倍の量が必要という報告
2019.05.08 14:00
https://www.gizmodo.jp/2019/05/if-you-use-cannabis-it-could-take-twice-as-much-anesth.html

処置(内視鏡は一般的に軽い鎮静で行なわれますが、重い鎮静を選ぶ人もいます)に要する適切な鎮静状態に達するのに、平均してフェンタニール(オピオイド)は14%多く、ミダゾラム(ベンゾジアゼピン)は20%多く、そしてプロポフォール(軽い鎮静にも使うことができる一般的な麻酔薬)は220%多く必要
 解説としては...
大麻がどうやって鎮痛剤への耐薬性の上昇を引き起こしているかはまだ分かっていません。大麻や大麻由来のドラッグはエンドカンナビノイドシステムと呼ばれる神経系のシステム内の受容体ネットワークと主に相互作用します。このシステムは空腹感や痛覚といったあらゆる身体機能に関わっています。しかし同じように、オピオイドとベンゾジアゼピンを含む他の薬物もこれら受容体と相互作用するのです。それに大麻がこういった副作用を引き起こし得る他の経路だってあるかもしれないのです。





HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...