2019年7月10日水曜日

閉塞型睡眠時無呼吸:PAPは血圧降下効果に、上気道刺激法は眠気改善に

優れているようだ


Upper Airway Stimulation versus Positive Airway Pressure Impact on Blood Pressure and Sleepiness Symptoms in Obstructive Sleep Apnea
Harneet K. Walia, et al.
CHEST
DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.06.020
https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(19)31313-3/fulltext

研究目的
Positive airway pressure (PAP) と upper airway stimulation (UAS) は閉塞型無呼吸(OSA)治療オプションとして承認されている。PAP治療の血圧と昼間眠気(ESS定義)への効果は確立しているが、血圧へのUASのインパクトは不明
PAPとUASが血圧・昼間の眠気改善をもたらすか仮説検証

研究方法
クリニックベースの血圧・ESSを517名のOSA(AHI, 15-65)患者で比較
BMI < 35 kg/m2、ClevelandクリニックPAP治療開始(2010-2014年)、国際レジストリ UAS装着320(2015-2017)を比較(2-6ヶ月フォローアップ)

Mixed-effect models で201名をpropensityマッチング後群間比較


結果
PAPはUASより拡張期血圧改善著明 (群間差変化平均差 3.7 mmHg, p <0 .001="" mmhg="" nbsp="" p="">UASはPAPよりESS改善著明 (変化差平均 PAP and UAS groups -0.8, p=0.046)
UAS治療使用はPAP患者より 6.2時間/週多い  (95% CI = 3.3 to 9.0)
結果は治療アドヒアランス補正後も維持

結論
PAPは血圧改善効果に優れており、おそらくメカニカルな胸腔内の心臓、血管へ影響によるベネフィットを反映するものであろう
UAS群での血圧測定エラーも勘案されるべき
睡眠症状改善効果はUAS群でPAP群比較で著明






2019年7月8日月曜日

G20:安陪総理 vs the Lancet

2013年に、G8諸国の首脳級による寄稿としては初めて、安倍総理の国際保健外交戦略に関する寄稿が、ランセット誌に掲載された
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/page3_000401.html

いよいよ安陪総理が議長となるG20で・・・という期待のもと・・・だが、結果は、日本に対する(侮蔑だもあるのだとおもうが)辛辣な態度の英国系雑誌のG20サミットへの批評となっている。

"財務省(大臣)言いなりの厚労省(大臣)"ってのは正しい認識・・・さすが the Lancet
でもイギリスってそんなに優れた医療制度だったっけ?
https://news.mynavi.jp/article/20170501-nhs/

universal health coverage (UHC)


2030年のSDG(Sustainable Development Goals) (https://sustainabledevelopment.un.org/sdgs)  のデッドライン10年を切ったが、多くの開発途上国は、質の高い手頃な価格の医療サービスへのアクセスを万人に保証するというUHC(Universal Health Coverage)の目標を達成することができません。発展途上国の人々は、年間5兆兆ドル以上を医療サービスのために自己負担で支払っており、毎年約1億人の人々が極度の貧困状態にあります。 UHCへの進歩が健康を向上させるだけでなく、包括的で持続可能な経済成長も促進するという証拠は強いですが、この報告書は2030年には最貧国54カ国で1,760億ドルのUHC資金ギャップがあると推定します。これは何十年にもわたる健康の進歩を脅かし、各国の長期的な経済見通しを危険にさらし、それらを世界的流行のリスクに対してより脆弱にしています。この報告は大阪・日本で2019年6月の初めてのF20経済・健康担当相セッションに向けて情報化開始し、UHC資金ギャップの橋渡しするための諸国・開発パートナーのためのaction agendaとしてレイアウトされ、今後10年間の医療資金に関するイノベーションへの強力なケース作りに着手するものである







G20 Osaka: when will global health commitments be realised?
The Lancet VOLUME 394, ISSUE 10192, P1, JULY 06, 2019
Published:July 06, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(19)31520-X
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(19)31520-X/fulltext

貿易、気候変動、さらには自由主義の価値に対する緊張が高まる中、20(G20)サミットのグループが6月28日と29日に日本の大阪で開催されました。経済と世界貿易、特に米国と中国の間の取引に主眼が置かれているため、健康に関する議論はメディアの主流になることができませんでした。確かに、健康の進歩は期待外れでした。

最後のG20大阪首脳宣言では、経済、世界金融、腐敗防止政策へのコミットメントが強調されています。持続可能な開発目標(SDG)を達成するための途上国、特にG20アフリカのパートナーシップへの支援は、「包括的で持続可能な世界の実現」の一環として強調されています。

特に、世界の保健部門は「健康は持続可能で包括的な経済成長のための前提条件」で始まり、これはG20がこの重要な基本的前提に同意することを示しています。それから宣言は普遍的な健康保険(UHC): universal health coverage (UHC)を達成することへの過去のコミットメントを繰り返して、健康と包含を進めることの中心にプライマリヘルスケアを置き、そして健康と財務大臣間の一層の協力を要求します。 
 武見敬三氏がUHCのためのWHO親善大使に任命された(The appointment of Keizo Takemi as WHO Goodwill Ambassador for UHC signals Japan's commitment to promoting UHC. )ことは、UHCを推進するという日本のコミットメントを示しています。健康的で活発な老化の促進(現在の日本政府によって支持されているテーマ)エボラと戦うための公衆衛生への備えと財政的支援。ポリオの根絶とエイズ、結核、マラリアの流行の終結そしてOne Healthアプローチを通して抗菌剤耐性に取り組むことは、追加のそして驚くべき約束ではありません。
気候変動については、米国がパリ協定からの撤退を決定したことを改めて表明しながら、ほとんど変化はありません。 
安倍晋三首相は、自由で開かれた包括的かつ持続可能な「人間中心の未来社会」を推進する日本の希望を表明した。健康については、G20大阪サミットは、「世界の健康…は、世界の経済の持続可能な成長のための基盤として不可欠である」と認識し、「UHCに対する持続可能な健康資金の重要性」を指摘した(Japanese Prime Minister Shinzō Abe expressed Japan's wish to promote a free and open, inclusive and sustainable, “human-centered future society”. On health, the G20 Osaka Summit recognised that “global health… is essential as a basis for sustainable growth of the global economy”, and noted “the importance of sustainable health financing towards UHC”. )。しかし、G20大阪サミットの一環としてのG20財務保健大臣の最初の合同セッションも失望したものであり、正式な成果文書はなく、保健大臣は単に財務大臣によって設定された制約に耳を傾けていた(However, the first Joint Session of the G20 Finance and Health Ministers as part of the G20 Osaka Summit was also a disappointment, with no formal outcome document, and with health ministers simply capitulating to the constraints set by finance ministers.)。

世界銀行が6月27日に発表した報告によると、SDGsの目標日である2030年までに、最貧国54カ国で、質の高い手頃な医療サービスを提供するために必要な資金と実際に利用可能な資金。この報告書は、国民の健康への投資を増やし、保健への投資を政府全体の優先事項とし、最も貧弱な一次医療サービスのような実績のある投資を拡大し、収入を増やすためにタバコ、アルコール、甘い飲み物に課税することで財政の持続可能性を高めるそして健康を増進する。それはまた、健康のための国際的援助の増大、そして国内の制度と能力の構築を求めている。 それに応じて、現在アフリカ連合の議長を務めているエジプトは、アフリカにおける保健への国内投資を増やし、財務大臣と保健大臣の間の協力を促進するという同盟のコミットメントを繰り返した。

6月27日にG20サミットに先立ってThe Lancetに掲載されたHealth Policyの論文で、Joseph L Dielemanらは、G20諸国に対し、健康のための開発援助(DAH)のための資金の増額と公平な健康増進のためのDAHの集中方法を議論するよう求めた。 ;健康システムを強化するためのDAHの提供方法そして持続可能な影響のための国内資金調達の促進方法。世界基金への英国の14億ユーロの公約は、その資金を16%増加させることは歓迎すべきスタートです。
Bronwyn McBrideとBMC Public Healthの同僚は、世界の健康に対するBRICS、G7、およびG20のリーダーシップを称賛していますが、主に経済と貿易に関して、健康障害の潜在的な影響に焦点を絞っていることを強調しています。 2017年は、G20の保健大臣が世界の保健問題について議論したのは初めてのことです。 McBrideらは、BRICS、G7、およびG20が、無視されているSDG 3健康目標に焦点を拡大することを推奨しています。公平性を重視し、誰も置き去りにしない。明示的な権利に基づくアプローチを採用する。そして明確な説明責任メカニズムで定量的な約束をする。
WHO事務局長、G20大阪に招待されたTedros博士の言葉では、次のように述べています。 G20大阪サミットは、過去の世界的な健康への取り組みの勢いが高まっていると言えるでしょう。
2019年10月19日から20日にかけての岡山での保健大臣会合とサウジアラビアでのG20サミットは次のマイルストーンです。宣言コミットメントの進捗状況は今や実証されなければならない(The Health Ministers’ Meeting on Oct 19–20, 2019, in Okayama and the G20 Summit in Saudi Arabia are the next milestones. Progress on the Declaration commitments must now be demonstrated.)。





"vs 韓国"やら“米中”に話題もってかれているが、G20の背後に、the Lancetとの因縁みたいなのがあったようだ


COPD:在宅 vs 外来リハビリテーション 

日本では、介護保険下でのリハビリテーションが、あたかも医療ベースのリハビリテーションと同等の有益性を有することが担保されているかのような行政が行われている
https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20190401/news02.html維持期リハビリの介護保険への移行を3月末に完了
全日病ニュース・紙面PDF(2019年4月1日号
あいかわらず、エビデンス無き行政が続く

リハビリテーション特化専門職によるスーパーバイズされたリハビリテーションと、在宅での自己管理運動ではやはりその有効性が異なるだろう、それを示唆する報告


Home versus outpatient pulmonary rehabilitation in COPD: a propensity-matched cohort study
Claire Marie Nolan ,et al.
https://thorax.bmj.com/content/early/2019/07/05/thoraxjnl-2018-212765

supervised 外来呼吸リハビリテーション(PR)と同等の戦略としての在宅ベースの運動療法が提案されているが、臨床実践の場に導入してトライアルで観察下での同様ベネフィット得られているかの検証は不明瞭。

リアルワールドでの154名COPD:在宅ベース運動療法とマッチ化したsupervised PRとの比較検証
在宅ベース運動では、PRに比較して運動能力改善程度少なかったが、QOLの軽度改善あり

ここで、在宅運動療法と比較してのsupervised PRは標準ケアとしてやはりその地位は維持されることとなった、PRへのattend不能の場合にのみ有効性は低下するが在宅ベースの運動はその意味はある


2019年7月5日金曜日

非結核性抗酸菌とアスペルギルスの共感染

免疫不全や既存肺疾患での両者の相互作用、特に、M. aviumとAspergillus fumigatusの関連性は重要なようだ



Nontuberculous mycobacterial pulmonary disease and Aspergillus co-infection: Bonnie and Clyde?
Kim Geurts, Sanne , et al.
https://erj.ersjournals.com/content/early/2019/03/15/13993003.00117-2019


非結核性抗酸菌(NTM)は治療困難な日和見感染で、多くは肺に多く感染する。COPD、のう胞性線維症、気管支拡張(日本では結核後遺症も含まれると思う)患者にNTMによる肺疾患(NTM-PD)がかかりやすく、同時に他の日和見感染、Aspergillus fumigatusも含まれる。NTMと慢性肺アスペルギルス症(CPA)はオーバーラップするという報告

  • Griffith DE, Aksamit T, Brown-Elliot BA, Catanzaro A, Daley C, Gordin F, Holland SM, Horsburgh R, Huitt G, Iademarco MF, Iseman M, Olivier K, Ruoss S, von Reyn CF, Wallace RJ Jr, Winthrop K. An official ATS/IDSA statement: diagnosis, treatment, and prevention of nontuberculous mycobacterial diseases. Am J Respir Crit Care Med 2007; 175: 367-416.
  • Denning DW, Cadranel J, Beigelman-Aubry C, Ader F, Chakrabarti A, Blot S, Ullmann AJ, Dimopoulos G, Lange C. Chronic pulmonary aspergillosis: rationale and clinical guidelines for diagnosis and management. Eur Respir J 2016; 47: 45-68
文献上はNTMとアスペルギルスの同時感染で死亡率増加と関連

  • Jhun BW, Jung WJ, Hwang NY, Park HY, Jeon K, Kang ES, Koh WJ. Risk factors for the development of chronic pulmonary aspergillosis in patients with nontuberculous mycobacterial lung disease. PLoS One 2017; 12: e0188716. doi: 10.1371/journal.pone.0188716.
従って、NTM-PD診断work-upの一貫として筆者等は、アスペルギルス血清検査を行っているとのこと

2015年1月から2018年1月の間にNTM-PDのAmerican Thoracic Society(ATS)診断基準を満たし、NTM-PDの診断時または紹介時(+/- 3か月)にAspergillus IgGの血清学的検査結果が得られた患者の検討で、日本にとってありがたいことにのう胞性線維症を除外している。

検査
Positive IgG serology for Aspergillus was defined as >39 mg/l, as recommended by the manufacturer (ImmunoCAP, Phadia/ThermoFisher, Landsmeer, the Netherlands)

ここでは47名検討、女性 52.2%、平均年齢 64±9.7歳
アスペルギルスIgG血清学陽性30名(M. avium complex [MAC]で21/34、M. abscessusで5/6) 平均レベルは67.2±56.1 mg /L
アスペルギルス IgG陽性 線維性空洞 27/49 (59.3%)、結節性気管支拡張 12/18 (66.7%)
喀痰培養 アスペルギルス陽性 19、13唾液のみ 41.4%、BAL 4、BAL及び喀痰 2

6人の患者は、陽性の血清学および培養に基づいてアゾール(4ボリコナゾール、1イトラコナゾール、1ポサコナゾール)療法を受けた。抗真菌治療は、NTM-PDの培養転換率(p = 0.587)または微生物学的治癒率(p = 0.678)のいずれにも有意な影響を及ぼさなかった。

全体として、47人のNTM-PD患者のうち43人(91.5%)がNTM-PDの治療を受け、そのうち33人(70.2%)が6ヶ月以上(26 MAC、3 M.膿瘍、2 M. kansasii、1 M. simiae) 1M.xenopi)。 22人のMAC-PD患者(85%)が、リファマイシン - エタンブトール - マクロライド系レジメンで治療された。 4人(15%)の患者がクロファジミン - エタンブトール - マクロライド系レジメンを受けた。 16人が追加のアミカシンおよび/またはクロファジミンを受けた。 6ヶ月以上にわたって治療された患者におけるNTM培養転換は、アスペルギルスIgGが陰性であった患者(8/12、66.7%; p = 0.039)よりも、アスペルギルスIgGが陽性であった患者(6/21、28.6%)でより少なかった。


6ヶ月以上治療患者NTM培養conversionはアスペルギルスIgG抗体陰性より陽性患者で低い( 6/21 28.6% vs 8/12 66.7% p=0.039)。微生物学的治癒率もアスペルギルスIgG抗体陽性で低い3/21, 14.3% vs 6/12, 50%; p=0.036
NTM喀痰培養陰性化までの期間は有意差無し、MAC-PD患者ではアスペルギルスIgG陽性では培養陰転化率低い (1/17 vs 4/9 p=0.034)


spergillus fumigatusは、M.abscessus上清を添加した培地では成長速度が著しく低下した。avium結核菌上清はA. fumigatusの増殖速度を増加させた。この効果は、固定相上清で顕著。NTMの方の増殖はA. fumigatus上清の影響を受けず



アスペルギルスの共感染についてNTM患者をスクリーニングすることは臨床的に意義があるようだ。特に、M.aviumはアスペルギルスの増殖刺激作用がある。






2019年7月4日木曜日

気管支拡張への抗生剤吸入療法:高bacterial load群でQOL改善効果

気管支拡張症における主な吸入抗生物質治療の根底にあるのは、bacterial loadが炎症を引き起こすことによるもので、抗生物質治療は症状を軽減するはずという考え

今までの抗生剤吸入療法のトライアルで、QOL改善示せなかったのは、bacterial loadを考慮しないトライアル設計に問題があったのではないか?




Airway Bacterial Load and Inhaled Antibiotic Response in Bronchiectasis
Oriol Sibila , et al.
All AJRCCM  Vol. 200, No. 1 | Jul 01, 2019
https://doi.org/10.1164/rccm.201809-1651OC       PubMed: 31109172
https://www.atsjournals.org/doi/abs/10.1164/


Studies 1 ・ 2:気管支拡張成人への前向き研究
Study 3 : post hoc analysis of a randomized trial of inhaled aztreonam.

定量的喀痰培養による分類 low (<<10 sup="">5  cfu/g), moderate (105–106 cfu/g), high bacterial load (≥107 cfu/g)


研究1、2、および3では、bacterial loadは生活の質の悪化および気道炎症の増加と関連する安定特性
研究3では、細菌負荷の高い患者は主要評価項目の改善を示し(Quality of Life–Bronchiectasis–Respiratory Symptoms Score at Week 4) 、アズトレオナムの優秀性を示した(9.7ポイントの平均差; 95%信頼区間、3.4-16.0; P = 0.003)。

Minimum Clinical Important Difference (MCID) を上回る増加達成患者割合は、bacterial loadの高い群のみで、4週目(63%対37%; P = 0.01)および12週目(62%対38%; P = 0.01)







投与量と期間は
A summary of these trials is provided in the on-line supplement. Patients received two 4-week cycles of double-blind inhaled treatment with AZLI 75 mg or placebo given three times a day, separated by 4 weeks off-treatment.



序文Google翻訳

細菌量の減少は症状と悪化の頻度を減少させるということです(3、4)。しかし、ほとんどの試験は気管支拡張症の主要評価項目に達していません。吸入されたアズトレオナムの2つの大規模第3相無作為化試験では、QOLの改善は見られませんでした(5)。噴霧化コリスチン(6)、乾燥粉末シプロフロキサシン(7、8)および噴霧化リポソームシプロフロキサシン(9)を含む他の複数の試験もまた、一貫して主要評価項目に達していない。新しい欧州呼吸器学会(ERS)のガイドラインでは、治療として吸入抗生物質療法を支持する強力な臨床的証拠は発見されていません(10)。広範囲のサブグループ分析にもかかわらず、気管支拡張症吸入抗生物質試験の間の矛盾の理由は説明されていません。
気道細菌負荷は気管支拡張症の病因の重要な要素である(11)。患者は様々な細菌性病原体に慢性的に感染し、その結果、持続的な呼吸器症状およびさらなる気道損傷を伴う、感染および炎症の悪循環を引き起こす(12)。以前の研究では、気道細菌負荷と気道および全身性炎症の両方との間の直接的な関係が実証されている(13、14)。いくつかの疾患にわたる複数の研究は、107コロニー形成単位(cfu)/グラムを超える「炎症性閾値」を示唆しており、ここで患者はより多くの炎症、より悪化した症状およびより深刻な増悪を示す(15-17)。全身および吸入抗生物質治療は細菌負荷を減らしますが、細菌負荷が最も高い患者では気道の減少と全身炎症の点で最大の利点があります(15)。しかし、吸入抗生物質に焦点を当てた最近の臨床試験では、吸入抗生物質反応がベースラインの細菌負荷によって予測されるかどうかについて検討されていません(5–8)。
それ故、我々は、より高い細菌負荷がより悪い気道炎症及び生活の質と関連し、従って最も高い細菌負荷を有する患者が吸入抗生物質治療から最も利益を得るであろうと仮定した。 

キノロンやアミノグリコシド系などの効果判定も同様変化するのだろうか?
以前からアミノグリコシド系の吸入治療は 吸入トブラマイシン(商品名:トービイ)は臨床応用されてはいるが、のう胞性線維症のみ適応で気管支拡張へは実質使用できないのだが・・・




アザクタムと言えば、エーザイのアズトレオナム(アザクタム)の略号がAZTだったので、株やってる連中の妄想で、エイズ治療薬AZTと勘違いしてエーザイの株が上がった逸話があるのだが・・・それを思い出す。




COPDへの新たな治療ターゲット?:カテプシンS


Protein Phosphatase 2A Reduces Cigarette Smoke–induced Cathepsin S and Loss of Lung Function
Declan F. Doherty , et al.
AJRCCM, Vol. 200, No. 1, Jul 01, 2019
https://doi.org/10.1164/rccm.201808-1518OC       PubMed: 30641028
https://www.atsjournals.org/doi/full/10.1164/rccm.v200erratum1


Rationale: CTSS (cathepsin S) は cysteine protease で、COPD患者のBALF中・血中に高濃度に存在

Objectives:  CTSSがタバコ喫煙誘因COPDの病因と関連し、upstream signalingのtargetingが疾患予防となるか

Methods: CTSS expressionを動物・ヒト組織とCOPD細胞モデルで検証
Ctss−/− miceを長期タバコ喫煙暴露し、強制オシレーションと呼気測定
動物にPPA2活性(protein phosphatase 2A) chemical modulatorを投与


Measurements and Main Results: 喫煙暴露後のマウス肺でのCTSS発現促進と活性増加を見いだした。Ctss-/- miceで喫煙暴露炎症、気道過敏性、気腔拡大、肺機能低下抵抗性あり。
CTSS expressionは、健常ヒト非喫煙者とCOPDドナーからの分離気管支上皮細胞、探求由来マクロファージでPP2Aによりnegativeに調節されている
PP2A expressionあるいは活性調整、silencer siRNAや、化学的阻害、activatorで、急性喫煙暴露後肺内の炎症性反応やCTSS expressionやactivityをマウスにおいて調整できる
PP2A activity enhancementはマウスにおいて慢性喫煙由来COPD予防できた


Conclusions: この研究から、COPDで生じるPP2A活性の減少が肺内CTSS発現増加に寄与、それから肺機能障害をもたらすことを示している。
 PP2A活性を増強することは、CTSS活性を低下させそして煙誘発性肺疾患に対抗するための実行可能な治療アプローチを示すかも。








低LDL血症と脳内出血の関連性

中国北部の疫学研究で、低LDL血症と脳内出血(ICH)の関連性報告



Low-density lipoprotein cholesterol and risk of intracerebral hemorrhage: A prospective study
Ma C, et al
Neurology 2019; DOI: 10.1212/WNL.00000000000078.
https://n.neurology.org/content/early/2019/07/02/WNL.0000000000007853

2006年ベースラインにて卒中・心筋梗塞・がんを有しない96,043名(平均年齢 51.3歳)
 current cohort study

血中LDL-C濃度評価 2006年、2008年、2010年、2012年評価

累積LDL-C平均濃度をこの期間の全ての評価可能LDL-C測定値から計算
脳内出血はカルテレビューにて確認

フォローアップ9年間、ICH発生753

ICH-リスクはLDL濃度 70-99 mg/dLと100以上で同等

一方、LDL 70 mg/dL未満では、70-99 mg/dLに比べICH発症高リスク ; 補正ハザード比1.65 (95% 信頼区間 [CI] 1.32–2.05) for LDL-C concentrations of 50 to 69 mg/dL)、 50mg/dL未満 2.69 (95% CI 2.03–3.57)



最近のスタチンのメタアナリシスでは、スタチン治療とICHリスクに関し関連性として有意性を認めないと筆者等も記載

PCSK9阻害剤の2つのトライアルでも出血性卒中リスク増加を認めてない。同様にIMPROVE-ITやFOURIERトライアルでも有意性相関は認めない。

だが、これらの知見は、基本1.0年間から6.0年間の報告であり、サンプルサイズとして出血リスク少なすぎて正規相関前提の帰無仮説検証でよいのかという基本的疑問が呈せられる。

LDL低下を煽りすぎることは善なのだろうか? 「悪玉」コレステロールと果たしてホントに言い切って良いのだろうか?





HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...