Sports Drinks
BMJ 2012; 345 doi: 10.1136/bmj.e4737 (Published 19 July 2012)
“One drink in particular”として、Robert Cade(フロリダ大学)の1960年代に製造 → Gatorade(アメリカフットボールチーム由来) → ペプシコ、GSK、コカコーラなどの商用
その後これらメーカーとスポーツ関連事業と、スポンサーに支えられた科学的報告・・・具体的にはGSKの科学研究所設立と講演シンポジウムなどの利用。他企業も同様なスポンサー活動を行っている。
・ “乾き”・“脱水”プロモーションへの学術が荷担している現状
・商用主義先行の“脱水の科学”
・・・に始まり
・ “乾き”との関係
・ 尿の色や尿検査をガイドにする方法
・ 低ナトリウム血症、学校スポーツへの商用関与
「bottled water」会社と「スポーツドリンク」会社との“水戦争” の結果、スポーツドリンクメーカーは、水と比較して、 多く量を摂取できること、水蓄積、炭水化物摂取可能、一番は味ということを主張。
だが、「スポーツドリンク」会社側のEuropean Food Safety Authority (EFSA) 提出データでは、持久運動のパフォーマンス改善効果に関しては主張ほどの、はっきりしたエビデンスは存在しない。
アスリートから一般の人へのマーケッティングを行っており、肥満への影響も懸念される。
脱水の極度の状況、熱疲労・熱射病・筋痙攣・横紋筋融解症を極度に強調し、極端な人工環境による知見に基づくデマ(Scaremongering)。入院する程度の熱中症で脱水は17%程度と、American College of Sports Medicine (ACSM)の報告で、同様のUS軍隊での報告もある。HEAT Institute のNFLプレイヤーの研究で脱水だけで核温度への影響を与えないという報告である。
“脱水により熱中症を引き起こす”ことを示した報告は熱中症と脱水を起こすべく設定されているものばかりであると指摘。
British Journal of Sports Medicineもこのことを認め、“現実のフィールド条件に一致した熱中症と運動の関係に関して対照化実験はまず存在しないとしている。
上記解説記事全般、学術的権威のある団体や文献の数々であり、情緒的批判から構成されている内容ではない。
“ Disease mongering”(病気を利用して製薬会社が金儲けすること)はよく知られているが、「脱水」や「運動」において、世間一般を恐怖に陥れるScaremongeringをネタに金儲けするインチキ商売がこの分野で行われ続けてきた。
インチキは市井の常識として固定し、いつの間にか、医学的な専門家達もそれを常識と思い込み、そういうインチキの普及に我々自身が荷担 してる。
熱中症予防に関して、患者からアドバイスを求められたとき、「OS-1のような・・・」とかそのエビデンスを検討もせず、助言してないだろうか?
最近みた、あるテレビ局の報道番組の“熱中症” ニュース、「OS-1」を背景に、“水分をとること”と解説、指導していた。その指導は科学的根拠に乏しいことを知って知らずか・・・ステルスマーケッティングとなっている。
Exercise-associated hyponatremia (EAH)
CJASN January 2007 vol. 2 no. 1 151-161
低ナトリウム血症は、過剰な水分摂取、塩分喪失だけの問題では無く、塩分蓄積量及び浸透圧相互作用、代謝水、そして、尿希釈能障害(濾過量低下・腎血流低下・遠位尿細管到達血流低下)や、AVPの増加(非特異的ストレス、運動、熱、IL-6、水分容積減少による)などによると考えられている。
単純に、塩分摂取不足や水分過剰摂取だけが問題ではないことを医療者はよく理解する必要があるだろう。
単純に、塩分摂取不足や水分過剰とだけ説明している医療関係者が多すぎることに問題がある。
今後、この"desalination"という現象と、向き合う必要がある。
Postoperative Hyponatremia despite Near-Isotonic Saline Infusion: A Phenomenon of Desalination
Andrew Steele, et. al
Ann Intern Med. 1 January 1997;126(1):20-25
どのような手法。筋肉とどのように、今すぐにそれを再生する。
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