2012年1月25日水曜日

マジックマッシュルーム:うつ治療への応用の可能性

Psychedelic mushroom:幻覚作用をもつきのこ、”magic mushroom”が抗うつ作用を有するのではないかという小研究2つ


PNAS
Neural correlates of the psychedelic state as determined by fMRI studies with psilocybin
January 23, 2012, doi: 10.1073/pnas.1119598109 PNAS January 23, 2012
MRI研究で、シロシビン(psilocybin)を血中投与し、脳活動性を測定
脳のいわゆる"hub" regionの活動性低下が示された。


もう一つがBritish Journal of Psychiatry 掲載予定論文

10名の健康ボランティアで、やはりシロシビン
これを個人記憶recall、感情well-beingの効果が2-3週で現れた

"Department of Medicine at Imperial College London"が関係している論文


"Psychedelics"、"mind-expanding"、いづれにせよ、幻覚を生じさせる薬物は、脳の活性化を生じるが、最も密な他領域との結合性をもつ低活動性領域の活動性増加をもたらすという新知見。

 幾何学的パターンを幻覚としてみる、時間・空間の感覚変容、異常な身体感覚などが、脳のposterior cingulate cortex(後帯状皮質)や medial prefrontal cortex (mPFC:内側前頭前皮質)といった部位への酸素・血液供給量の減少と関連。
そして、PFCが意識・自己同一性に重要な役割をはたすことも見いだしたと筆者ら。

そして、MPCのうつ患者へ 特別な役割を見いだし、この種の幻覚作用が抗うつ的な効果として役立つのではないかと


Nuttらは、また、シロシビンが視床下部の血流を減少させ、一方で、偏頭痛患者の血流を増やすことを示したため、この方面への治療も考慮される。

 シロシビンは1950年代psychotherapyとして広く用いられてきたが、その使用の生物学的合理性に関して適切に研究されてきていなかった。
シロシビンは、個別の記憶・感情へのアクセス可能薬剤としての有用性、感情的well-being、不安状態のうつへの治療など利用が考慮されると筆者らの主張。

ソース:http://yourlife.usatoday.com/health/story/2012-01-24/Study-Magic-mushrooms-may-help-treat-depression/52775096/1



英国は伝統的にマリファナなどに関して寛容・・・ 

マリファナに限らず、”違法薬物”といえど、そのリスクを考慮の上、医学応用を考慮するのは重要なことだと思う。

ただ、片方で乱用の危険性は常に存在する・・・


”カンナビスト”という言葉は、特定団体の恣意的な言葉というのを最近気づいた私・・・

多発性硬化症に対してCBM: カンナビスト運動? 2007年 03月 10日
 
・・・という表現はあまり使うべきではなかったのかもしれない。かれらの一方的主張の土俵に既に乗ってしまう危険性があるから・・・


不安をもつ進行癌へのプシロシビン投与 パイロット研究 2010年 09月 07日


大麻の長期的悪影響:精神疾患、気分障害 2007年 07月 27日

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