2012年2月10日金曜日

プライマリ・ケア時間外対応もシステミックに医師教育・サポート・モニタリングが必要

プライマリ・ケア時間外(OOH: out of hours)診療は、通常の診療とは異なる対応が必要で、それなりの訓練が必要。


英国の時間外プライマリ・ケアのclinical reasoningとdecision making検討

Qualitative research
Clinical decision making in a high-risk primary care environment: a qualitative study in the UK
BMJ Open 2012;2:e000414 doi:10.1136/bmjopen-2011-000414 

最大のテーマは、高リスク症例への対処、安全性を確保し、ニーズに答えること

一方で、入院回避、消火作業も必要。
 

数多くの特徴として、症状所見が容易でない例や、対応困難例がGPにより記載。

重症患者はまっすぐで、一方、高齢者は、複雑な多系統疾患で困難なことがある。

高リスク疾患や入院必要な重症病態を除外したとき、GPs 臨床情報収集を停止し、臨床的決断可能となる; 患者のニーズに直接対応し、セーフティーネットを講ずる。
 GPはOOHでの教育を受けることは重要で、時間によるプレッシャーの存在に負けず、rapportをとることが大事であり、曖昧なことをどう扱うか、そして、重大疾患を除外するための臨床的手段とともに、コモンな所見について学習することが大事。

プライマリ・ケア OOHは、GPの促進的、定時的なフィードバックシステムによって改善することが示唆される。個別プライマリ・ケア同僚・専門家を含めたフィードバックや直近の症例検討にて個別的な同僚・専門家からの手助けなどが定期的ミーティングで改善可能かもしれない。

さらに、OOH特異的な臨床スキル・知識・リスクマネージメント問題に対する訓練サポートやモニタリングが必要。
"diagnostic closure"としてstopping ruleを検討することが、高リスク状況における臨床的過誤の根本原因への新しい根幹を提供するかもしれない。



Premature closure: the failure to continue considering reasonable alternatives after an initial diagnosis was reached, was the single most common cause.
Arch Intern Med. 2005;165:1493-1499. 




日本でも、時間外・休日診療に関して、その意義・問題点をシステマティックに分析し、本来の意義にあうシステム構築と共に、医師教育・サポート・相互学習、トラブル時の対応についての検討が必要と思う。
医療に信念のない中医協や厚労省が適当な命令だけ出すことで、時間外診療の場は荒廃しつづけている。

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