Effect of n-3 long chain polyunsaturated fatty acid supplementation in pregnancy on infants’ allergies in first year of life: randomised controlled trial
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e184 (Published 30 January 2012)
妊娠中、n-3長鎖不飽和脂肪酸(n-3 LCPUFA)サプリメント使用によって、生後1年間のアレルギー関連免疫グロブリンEの頻度全体的に不変だが、アトピー性湿疹、卵アレルギーは減少。
呼吸器疾患や吸入抗原感作に関する子供への影響は、長期フォローアップ必要。
706名のランダム化トライアル:妊娠21週から、fish oil capsules (providing 900 mg of n-3 LCPUFA daily)投与群( n=368 ) と 対照群( n=338 )
アレルギー関連IgE比率:
n-3 LCPUFA (32/368 (9%) vs 43/338 (13%); 非補正相対リスク 0.68, 95% 信頼区間l 0.43 to 1.05, P=0.08;補正相対リスク 0.70, 0.45 to 1.09, P=0.12)
アトピー性皮膚炎(則ち、アレルギー感作のある湿疹)診断比率はn-3 LCPUFA群が少ない (26/368 (7%) v 39/338 (12%); 非補正ハザード比 0.61, 0.38 to 0.98, P=0.04; 補正ハザード比 0.64, 0.40 to 1.02, P=0.06)
n-3 LCPUFA群では卵アレルギー感作少ない (34/368 (9%) v 52/338 (15%); 非補正相対リスク 0.61, 0.40 to 0.91, P=0.02;補正相対リスク 0.62, 0.41 to 0.93, P=0.02)
しかし、食餌アレルギーIgE群間差なし
疫学的に、n-6長鎖脂肪酸がn-3長鎖脂肪酸摂取量を上回る時期に相当して、小児のアレルギー疾患増加した (Eur Respir J1997;10:6-12.)
n-6長鎖脂肪酸リッチ、則ち、植物性油脂類のリノール酸(18:2n-6)リッチな食事で、組織内アラキドン酸(20: 4n-6)増加をもたらす。アラキドン酸はPG E2のようなエイコサノイドを生じ、T helper type 2サイトカイン産生促進、IgE抗体産生促進となりアレルゲンへのアトピー促進に傾く。
魚摂取など、n-3長鎖脂肪酸(LCPUFA)高含量の食事では、細胞内脂質として取り込まれ、アラキドン酸を置き換える。生化学的・免疫学的変化、則ちPGE2産生減少、受容体発現・活性化の変容をもたらし、炎症惹起性サイトカイン反応を減少させる(Br J Nutr2002;87(suppl 1):S31-48.
、 J Nutr 2008;138:1807-12S.)。
今更ながらだが、このようなことでn-3 LCPUFAがIgE介在免疫疾患を減少させる可能性がある。
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