2012年5月31日木曜日

絶対音感は、病的意義の無い自閉症的特性という側面をもつ



絶対音感って生来個性的側面よりエピジェネティックな側面が大きいという双生児研究報(Absolute pitch twin study and segregation analysis. Twin Res Hum Genet. 2011 Apr;14(2):173-8.)がある。確率的要素としては均質で、素因はその発端には関係しているかもしれない。

絶対音感特性をもつものは、病的とまでは言えない、自閉症的要素をもつらしい。


Do Musicians with Perfect Pitch Have More Autism Traits than Musicians without Perfect Pitch? An Empirical Study
Dohn A, et. al. (2012)
PLoS ONE 7(5): e37961. doi:10.1371/journal.pone.0037961


 絶対音感("absolute pitch":AP)として知られている、"perfect pitch"は、音楽のトーンを見極め、修正する上で役立つ特性である。

絶対音感は、音楽的素養とも考えられるが、感覚・発達障害を伴う場合に多いことが知られている。

この報告は、非絶対音感の場合でかつ非音楽家より、絶対音感の場合個別的自閉症特性を有するか検討。
Autism-Spectrum Quotient (AQ)を用いて、 16名の絶対音感あるミュージシャンをAutism-Spectrum Quotient (AQ)を用いてsubclinicalなレベルで3つの群に定量化した。加え、単波形とピアノ音によるピッチ同定検査で、絶対音感測定。

有絶対音感者は、無絶対音感者と非ミュージシャンに比べ、有意に自閉症特性高度であり、自閉症スコアはピッチ同定スコアと有意正相関を示した (r = .46, p = .003)

しかし、有絶対音感者と無絶対音感者とに、診断的な意義をもつ、社会的あるいはコミュニケーション特性ドメインスコア上の差は無く、これらの絶対音感スコアは臨床的自閉症閾値未満で良好である。

グループ差は、絶対音感上のサブスケールの切り替えのイマジネーションや注意力の差であった。自閉症での絶対音感とも関連するだろうが、絶対音感能力とは一般住民に現れる個性と判断した方が良さそうである。

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