急性肺障害 Acute lung injury (ALI)は米国内で年間20万人発症し、死亡率30%-40%の疾患である。低一回換気量人工呼吸の普及で死亡率低下、多数の薬物的介入が試みられているが、死亡率減少に関してはそれ以上の明確な進展が観られない。
マクロライドは、抗菌効果に加え、抗炎症効果もあり、慢性肺疾患、たとえばびまん性汎細気管支炎や嚢胞性肺線維症などにベネフィットがある。ALIでのマクロライドの役割が期待されている。
Acute Respiratory Distress Syndrome Network
(ARDSNet) Lisofylline and Respiratory Management of Acute Lung Injury
(LARMA)
trialのデータを用いての検討
結論としては、共役要素補正後、マクロライド使用はALI患者のアウトカム改善と相関する というもの
Allan J. Walkey and Renda S. Wiener
Chest 2012;141 1153-1159
http://chestjournal.chestpubs.org/cgi/content/abstract/141/5/1153?etoc
トライアル登録24時間以内、235名中47名(20%)で、マクロライド抗生剤投与
マクロライドであるエリスロマイシン投与が最も多く57%、次が アジスロマイシン 40%
登録後マクロライド使用使用期間中央値は 4日間(中間4分位 2-8日間)
死亡比較
マクロライド使用 11/47(23%)
マクロライド無使用 67/188(36%) (P=0.11)
マクロライド投与登録者は、ALIリスク要素としての肺炎合併例が多く、非肺敗血症は少なく、そして、低一回換気量喚起ランダム割り付け群少なく、治験登録前の滞在期間は短かった。
寄与要素補正後、マクロライド使用は180日死亡率低下と相関 (hazard ratio [HR], 0.46; 95% CI, 0.23-0.92; P = .028) 、 機械式人工呼吸離脱成功までの期間短縮と相関 (HR, 1.93; 95% CI, 1.18-3.17; P = .009)
逆に、フルオロキノロン(n=90)とセファロスポリン抗生剤(n=93)はアウトカム改善と関連せず
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