2012年8月28日火曜日

長時間作用性吸入β2刺激薬のステップオフ治療は有害

長時間作用性吸入β2刺激薬(LABA)のstep-off 中止後、症状コントロール悪化、QOL悪化をもたらすという報告

“Step-Off Therapy”に対する警告


step-downに対して、段階的減量としてのstep-off (e.g. https://wao.confex.com/.../Step-down%20or%20Step-off.ppt
ステップダウン・アプローチは、ステップアップ・アプローチほどデータがない 
・ICS/LABA固定吸入内での、ICSのステップダウン治療は有効
LABAステップオフ治療は喘息コントロールを失うリスクを高める可能性あり
・LABA+ICSをLTRA+ICSに置き換え研究はされてない

上記2番めの事象を確認した報告。

National Asthma Education and Prevention Programは、数ヶ月コントロール状態にある患者ではstep-down治療を考慮した方が良いとしている。
 
"Long-acting beta2-agonist step-off in patients with controlled asthma: systematic review with meta-analysis"
Brozek J, et al
Arch Intern Med 2012; DOI: 10.1001/archinternmed.2012.3250.
LABA中断に関するエビデンス評価のシステマティック・レビューとメタアナリシスで、合剤治療で一度コントロール到達した患者を対象

1492の論文から選別、5つのトライアルでのみ、15歳以上の事前特異化登録クライテリアを満たしてなかった。

LABA step-offアプローチは治療変更せず群と比べ良好な結果では無かった。

LABA step-offレジメンは、喘息悪化増加、Asthma Quality of Life Questionnaire score悪化 (mean difference [95% CI], 0.32 [0.14-0.51] points lower)、 Asthma Control Questionnaire score 悪化(0.24 [0.13-0.35] points higher)、無症状期間減少(9.15% [1.62%-16.69%] less)、研究脱落リスク増加、以上の結果、有効性無く、喘息コントロール不要 (risk ratio, 3.27 [2.16-4.96])

イベント数少数・観察期間短いため、急性増悪・死亡リスクは評価せず



x剤型少なく、薬剤調整困難というプラクティカルな問題と、ステップダウン法は現実ではエビデンス少ない。

LABAステップオフしないとすれば・・・
シムビコート固定的+ICS追加調整で漸減する方法
ICS単独+LABA単独(現実的にはサルメテロールロタディスク25μg使用、発売予定のホルメテロール単剤は?)
ホクナリンテープをLABA的に使用する方法
ICS/LABA→ICS+LTRA併用に一時期行う
 ・・・などなど考えられるが・・・

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