2012年8月28日火曜日

運動は喫煙渇望を抑制する

禁煙による運動能力改善効果は比較的迅速(Prev Med. 1988 Jan;17(1):79-92.)


喫煙渇望・喫煙衝動に駆られたとき、運動することは良い方法であり、強いエビデンスが示された。


The acute effects of physical activity on cigarette cravings: Systematic review and meta-analysis with individual participant data (IPD).
Haasova M. et. al.
Addiction DOI: 10.1111/j.1360-0443.2012.04034.x

【目的】  individual participant data (IPD)を用いて一連の運動による、Strength of Desire (SoD) や Desire to Smoke (DtS)への急性効果をシステマティック・レビューと実験トライアルの初回メタアナリシスを行う

【方法】 文献のシステマティック・レビューとIPDメタアナリシスで、一連の運動のSoD、DtSに対する急性効果を禁煙中の薬物療法未使用状況での一時的非喫煙状態にある喫煙者を対象に行ったもの報告を対象。考察対象研究著者に接触し、生のIPDを入手。
2 stage、1-stage IPDrandom effects meta-analysisを行った。
運動群を対照群とを、介入後SoD、DtSでベースライン補正後比較

【結果】 運動によるSoDの平均標準化平均差として、2-stage IPD meta-analysisの結果、-1.91 (95% CI: -2.59 ~ -1.22) (across 15 primary studies)

2-stage IPD meta-analysis評価による運動によるDtSへの影響は、-2.03 (95% CI: -2.60 ~ -1.46) (across 17 primary studies)

メタアナリシスを加え、一つの平行群研究を含む1-stage modelを加え、対照群との中等度運動比較だけのメタアナリシスを行うと、有意に運動後喫煙渇望を有意な減少が示された。。

研究間heterogeneity高度だが、すべてのプライマリ研究のeffect sizeは同一方向であり、運動は対照群比較で有意な渇望減少が見られた。


【結論】運動は急激にたばこ渇望を減少させるという強いエビデンスが示された。


おそらく、プレスリリースにtypoあり、メディア報道そのまんまのところが多い
http://articles.chicagotribune.com/2012-08-26/lifestyle/sns-rt-us-smokingbre87q00z-20120826_1_cigarette-cravings-nicotine-replacement-exercise-and-health-psychology

http://bit.ly/SwF01w ← http://bil.l/・・・となっている



喫煙に関しては、化学物質関連障害としての、環境的疾患の側面と精神的疾患の側面がある。精神疾患としての側面を無視して、薬物治療だけ重きが置かれるとしたら問題。
一方で、体系化された記述ではないのが物足りないが、保険診療マニュアルには認知療法的考えがちらばめられている。これに、"short bouts of physical activity (PA)"を どう組み込むか、禁煙指導方法手段の改善につながることを期待したい。

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