このHCoV-EMCの症例報告(画像所見、経過データを含む)、コロナウィルスの同定経緯、解説などが書かれている。
60歳のサウジアラビア人男性の喀痰試料からの確認されたウィルスは、進行性の呼吸不全・腎不全を発症。従来のヒト・コロナウィルスとは異なっていた。
コロナウィルスは外套を有する、短鎖、positive-sense RNAで、発現型、遺伝子型多形豊富。こうもりとともに広がり、鶏、猫、犬、豚、マウス、馬、くじら、ヒトなどにも感染。呼吸器、腸管、肝臓、神経疾患を生じる。
ヒトでは、呼吸器系コロナウィルス - human coronaviruses (HCoV) 229E, OC43, NL63, and HKU1 でendemicとなることが知られている。
2003年、SARS流行原因となったコロナウィルスはそれ以前は知られておらず、その多様性は、RNA-依存 RNAポリメラーゼ同定に明らかになり、RNA組換えが頻繁に行われること、RNAウィルスとしては巨大なゲノムを有することが判明した。
これらの要素は、既知のコロナウィルスの多様性だけでなく、新しい宿主・環境的隙間に適応する新しい特性をもつウィルスの出現、人畜共通感染イベントを促進するのではないかと危惧する。
Isolation of a Novel Coronavirus from a Man with Pneumonia in Saudi Arabia
Ali Moh Zaki, et. al.
NEJM Oct. 17, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1211721
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