2012年11月2日金曜日

NTD(相手されない熱帯病)の治療は乏しいエビデンス根拠でなされてる

NTDを“顧みられない熱帯病”という訳は正しいのだろうか?


いつものごとく、" AND gov.jp"でグーグル検索すると、この訳が正しいようだ。




この稀が故に、RCTの俎上に登りがたい疾患の検討

疾患名は・・・
・ American trypanosomiasis : アメリカ・トリパノソーマ症
・ dengue : デング熱
・ echinococcosis : エキノコックス症
・ foodborne trematode infections : 食品媒介吸虫感染
・ human African trypanosomiasis : ヒト・アフリカ・トリパノソーマ症
・ leishmaniasis : リーシュマニア症
・ leprosy : ハンセン病
・ lymphatic filariasis : リンパ管フィラリア症
・ onchocerciasis : オンコセルカ症
・ rabies : 狂犬病
・ geohelminth infections 
・ schistosomiasis : 住血吸虫症
・ trachoma : トラコーマ
他3種
・ dracunculiasis : メジナ虫症
・ Buruli ulcer : ブルール潰瘍
・ cysticercosis : 嚢虫症



Neglected tropical diseases: survey and geometry of randomised evidence
BMJ 2012; 345
http://www.bmj.com/content/345/bmj.e6512





971の検討可能ランダム化トライアル同定
以下の二つが多く
リューシマニア(184トライアル、被検 23039名)
geohelminth infections (160トライアル, 被検 46 887名)
以下2つが少ない
dracunculiasis (9トライアル, 被検 798 名)
Buruli ulcer (5トライアル, 被検 337 名)


グローバルな疾患と比べ、リンパ管フィラリア症はトライアルや被験者が少ない。企業基金によるトライアルは11%のみ
被験者100名未満の単一トライアルが、第1選択・第2選択治療のランダム化トライアルエビデンスとしてなされているのが、ブルール潰瘍、ヒト・アフリカ・トリパノソーマ症、アメリカトリパノソーマ症、嚢虫症、狂犬病、エキノコッカス症、New World皮膚リューシマニア症、食品媒介吸虫感染。
トライアル数40を越える10疾患の内、5つでは、第1選択vs第2選択治療のガチンコ比較されてない
 




メーカーが創薬上の施策として金出さない疾患では、薬剤トライアル数自体が少ない・・・ 

故に、poorなエビデンスで診療方針がなされている。

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