2012年12月20日木曜日

プライマリケア:咳に対する抗生剤投与は効果少なく、見合わない重篤な副作用の可能性

プライマリケア急性下気道感染(非肺炎)へのアモキシシリン投与に利益性少ない。60歳以上でも効果があるというわけではない。

・・・ というRCT報告

Amoxicillin for acute lower-respiratory-tract infection in primary care when pneumonia is not suspected: a 12-country, randomised, placebo-controlled trial
Prof Paul Little et. al.
 on behalf of the GRACE consortium
The Lancet Infectious Diseases, Early Online Publication, 19 December 2012
http://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473309912703006/fulltext

下気道感染はプライマリケア管理の急性疾患の一つであるが、抗生剤のプラシーボ対照化トライアルは少数で、包括的有効性、特に、高齢者で議論がある。
急性下気道感染へのアモキシシリン投与のベネフィット・有害性について検討

【方法】
18歳超の急性下気道感染(28日間以下の咳嗽)で肺炎で無い場合を1:1にランダム割り付け
・アモキシシリン(1g×3/7日間)
・プラシーボ

プライマリアウトカムは、”中等度”のratingの症状期間もしくは”悪化”と判断される期間
セカンダリアウトカムは、2-4病日の症状重症度と、新規もしくは症状悪化

【結果】
アモキシシリン群 1038名
プラシーボ群 1023名

”中等度”ratingもしくは”悪化”症状期間 (ハザード比 1.06, 95% CI 0.96—1.18; p=0.229) も、平均的症状重症度 (プラシーボ 1.69  vs アモキシシリン 1.62; 差 −0.07 [95% CI −0.15 to 0.007]; p=0.074) も群間差有意で無い。
新規症状もしくは悪化症状は、アモキシシリン群は、プラシーボ群比較で、有意に多くない (162/2021 [15.9%] vs 194/1006 [19.3%] of 1006; p=0.043; number needed to treat 30)

アモキシシリン群では、対照群に比べ、吐気、皮疹、下痢症例多い (number needed to harm 21, 95% CI 11—174; p=0.025)、1例アナフィラキシーショック
プラシーボ群2例、アモキシシリン群1例で入院必要
研究関連の死亡例なし

60歳以上に関し、選択的ベネフィット存在しなかった。



COPDなどの気道系基礎疾患や他臓器基礎疾患有る場合は別だろうが・・・もっとも、 この場合は、アモキシシリンよりレスピラトリーキノロンがより効果的だが・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note