2012年12月20日木曜日

FREEDOM 糖尿病・多枝冠動脈病変:薬物溶出性ステント冠動脈インターベンションと、冠動脈バイパス手術

米国内では冠動脈多枝病変への血管再建は年間70万行われており、うち、25%が 糖尿病。Bypass Angioplasty Revascularization Investigation (BARI)トライアルで、糖尿病+多枝病変のCABGの優位性が報告されていた。

FREEDOMトライアルにて、薬物溶出性ステントによる冠動脈インターベンションと、冠動脈バイパス手術を比較

Strategies for Multivessel Revascularization in Patients with Diabetes
Michael E. Farkouh, et. al.
for the FREEDOM Trial Investigators
N Engl J Med 2012; 367:2375-2384December 20, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1211585

【背景】糖尿病患者の血管再建術戦略比較ランダム化トライアルにおいて、CABGのほうがPCIよりアウトカム良好であるという報告がなされている。糖尿病+冠動脈多枝病変症例での積極的薬物療法とdrug-eluting stentで、血管再建アプローチ法を変えることが出来るか?

【方法】ランダム化トライアルにおいて、糖尿病・冠動脈多枝病変を
・PCI+drug-eluting stent
・CABG
割り付け

最低2年フォロー(生存率中央値、3.8年間)

薬物療法にて、LDL、収縮期血圧、糖化ヘモグロビンのコントロール

プライマリアウトカムは、全死亡率、非致死的心筋梗塞、非致死的卒中

【結果】2005-2010年、1900名登録(世界140センター)
平均年齢63.1±9.1歳、女性 29%、83%が3枝病変

プライマリアウトカムは、PCI群で多く(p=0.005)、5年後 PCI群 26.6% vs CABG群 18.7%。

CABGベネフィットは、心筋梗塞(p<0.001)、全死亡率(p=0.049)で認められた。
卒中は、CABG群でやや多く、PCI群 2.4%、CABG群 5.2%(p=0.03)


【結論】
糖尿病・冠動脈病変進行例では、CABGがPCIより有意に死亡率・心筋梗塞に関して優越するが、卒中発生率が高い。

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