2012年12月26日水曜日

パンデミックインフルエンザA予測:ウィルス特異的CD4+細胞の反応性

パンデミックインフルエンザAの重症化は、ウィルス特異的末梢血中CD4+反応により予測可能

重症化対策として、この反応の制御が一つの鍵となるのかも・・・

High Levels of Virus-Specific CD4+ T Cells Predict Severe Pandemic Influenza A Virus Infection
Am J Respir Crit Care Med. 2012 Dec 15;186(12):1256-63.

パンデミックH1N1/09 IAVプロテオームへのインフルエンザ特異的T細胞の反応及び、T細胞関連サイトカイン値を、軽度(n=32)、重症(n=16)IAV感染健康対照者からの血液で測定
肺・血液のウィルス特異的T細胞反応は、感染重症患者で fluorescent-conjugated pdmH1N1/09 Matrix-MHC-I tetrameric complexを用いて測定施行

血中で、CD4+の強く広汎な反応が見られ、CD8+T細胞では見られない。そして、反応は重症疾患で強い反応がみられた。
重症患者では肺内の抗原特異的CD8+細胞は平均で血中より45倍強い。
奇異的に、重症患者では、IL-17、IL-2、IL-4、INF-γ値が低下している。

2つのウィルス内部たんぱく(核蛋白nucleoprotein (NP) 及びマトリックス蛋白matrix protein (M1))への循環血中ウィルス特異的CD4+細胞高レベルは、その後の重症インフルエンザAウィルス感染の症状出現に相関を認める。これは、臨床的病状進展への早期、特異的なマーカーとなり得る。

一方、肺内・血中の抗原特異的CD8+細胞の反するレベルとなったのは、T細胞ワクチンの臨床トライアルのデザイン、分析によるものである。末梢のT細胞の測定は必ずしも肺のイベントを反映するものではない。

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