2012年7月5日木曜日

米国軍内調査:MRSAは減少傾向 :黄色ブドウ球菌血液・皮膚軟部組織感染の重要性増加


Epidemiology of Staphylococcus aureus Blood and Skin and Soft Tissue Infections in the US Military Health System, 2005-2010
Michael L. Landrum, MD; Charlotte Neumann, MPH; Courtney Cook, MS; Uzo Chukwuma, MPH; Michael W. Ellis, et. al.
JAMA. 2012;308(1):50-59. doi:10.1001/jama.2012.713


米国国防総省の調査で、900万人のactive、non-active軍人調査


MRSA (Methicillin-resistant Staphylococcus aureus)は主に病院患者、手術に関わる感染、注射部位や人工肢感染と関連し、抗生剤抵抗性の問題と共に、密接な皮膚接触のある高校や託児所、雑踏環境下で問題となっている。



侵襲性MRSA、community-onset MRSAすなわち、住民環境発症MRSAについての報告で、米国市民のcommunity-onset MRSA感染、皮膚・軟部組織感染(SSTIs)が有意に公衆衛生問題となっている。



community-onset MRSAに対し、院内発症 hospital-onset MRSAは減少しているが、community-onset MRSAに関しては不明であったということで調査。

2005年から2010年、国防総省医療システム内で診療を受けた920万超、男性 52%、non-active duty 84%
  • 黄色ブドウ球菌血液感染 2,643
  • 創部・肛門膿瘍・黄色ブドウ球菌培養 80,281
  • community-onset MRSA感染 2,094 (79 %) 
  • 黄色ブドウ球菌SSTIs 79,801 (99 %)
  • community-onset MRSA 菌血症は65歳以上で最も多い
  • community-onset 菌血症は女性より男性で多い
  • community-onset MRSA黄色ブドウ球菌SSTIsの比率58%は、community-onset MRSA菌血症(39%)や院内発症SSTIs(53%)より有意に比率が高い。
  • 院内発症MRSAによる54%はMRSAによるもの
全体的には、発症率は、2006年の62%から2010年の52%と少ないながら減少。

院内、市中とも、兵役対象では発症減少、しかし、黄色ブドウ球菌菌血症やSSTIsではそのburdenは広がっており、その面を重視した予防・治療戦略が必要。



MRSA医療関連感染頻度の減少がみられるが、今後さらに他の要素検討必要で、より効果的な予防戦略が必要。

参考: http://www.medicalnewstoday.com/articles/247454.php

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note