2013年1月9日水曜日

乳がん・下部消化管検診 ・・・ 平均余命10年以上ある対象者が望ましい

日本の検診に関する知見では、偽陽性に関わる有害性を悉く無視している。一方、海外一流ジャーナルの記事はこの有害性を主眼にする論文が多い。日本の検診の可否検討の主張・材料は検診主体者のみが行い、そのデータの開示が乏しい。利益相反性の問題を追及すべき分野である。

以下の論文は、乳がん・下部消化管に関し、 その被験者が平均余命3-5年程度の場合、その検診の意義は乏しいというもの


検診後ベネフィットまでのタイム・ラグ検討
1万人検診毎に2.8名の直腸結腸がんの死亡回避できるが、このベネフィットは年数を経過する毎安定増加し、15年で1万名毎検診して23名の直腸結腸がん死亡回避。
これを一般化すれば、1人の直腸結腸がん死亡回避のため5千名検診が必要で、4.8年間必要、1千名検診の場合10.3年間必要。

同様に、乳がんに関して、1万名の検診で5.1名の死亡回避し、15年間までに死亡率へのベネフィットは増加し、1万名の検診にて19名の乳がん回避。
一般化すれば、1人の乳がん死亡死亡回避のため5千名検診が必要で、1千名あたり1人の死亡回避のため10.7年間必要。

検診には偽陽性による過剰・不要な治療が有害性として存在する。
乳がん・下部消化管がん検診では平均余命10年超が望ましく、 平均余命3-5年ではその意義は少ない。


Time lag to benefit after screening for breast and colorectal cancer: meta-analysis of survival data from the United States, Sweden, United Kingdom, and Denmar
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e8441 (Published 8 January 2013)
Cite this as: BMJ 2013;346:e8441
目的 乳がん・直腸結腸がん検診に於ける生存的ベネフィットが見られるまでの期間のプール化・定量推定

研究デザイン 住民ベースの生存率のメタアナリシス、乳がん・直腸大腸癌の住民検診受けた群と受けなかった群ランダム化対照トライアル。トライアルはCochrane Collaboration及びUSPSTFレビューによる品質保証

セッティング 米国、デンマーク、UK、スウェーデン
対象住民 40歳超の選別された患者

プライマリアウトカム測定項目 検診住民群と対象住民群比較の乳がん・直腸結腸がん死亡までの期間

介入 直腸結腸がん検診のための便潜血検査、乳がん検診のためのマンモグラフィー

結果 5つの乳がん、4つの直腸結腸がん研究を検討


乳がん検診に関し、5千名の検診あたり1人の死亡回避のため、期間が3.0年間(95%信頼区間 1.1-6.3年間)経過している。
検討研究平均横断的には、1千名検診して1人乳がん死回避のために10.7年間(95%信頼区間 4.4-21.6年間)経過。



直腸結腸がん検診では、5千名の検診あたり1人の死亡回避のため、期間が4.8年間(2.0-9.7年間)経過。
検討研究平均横断的には、1千名検診して1人乳がん死回避のために10.3年間(95%信頼区間 4.4-21.6年間)経過。

検診による5千名に1人名の直腸結腸がん死亡回避のため、4.8年間(2.0-9.7年間)必要で、平均横断的には、1千名に1人の直腸結腸がん死亡回避のため、10.3年間 (6.0 - 16.4)必要。


結論 10年間超の生存余命期待する必要がある。
検診ガイドラインへ"time lag"考慮することにより、検診のリスク・ベネフィットが明確化推進されることになる。

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