2013年1月9日水曜日

肺非小細胞肺癌:β遮断剤により転移抑制に伴う生存率改善効果?

 放射線療法を受けた肺がん(非小細胞肺癌)に対するβ遮断剤は、局所再までの生存期間以外の、遠隔転移までの生存期間、疾患再発までの生存期間、包括生存率を改善する。

故に、原発性腫瘍への影響より、転移への影響が主と考えられる生存期間改善だと著者ら。


"Improved survival outcomes with the incidental use of beta-blockers among patients with non-small cells lung cancer treated with definitive radiation therapy" Wang HM, et al
Ann Oncol 2013; DOI: 10.1093/annonc/mds616.

放射線治療を受けた、7222名の非小細胞肺癌

単変量解析でβ遮断剤服用(n=155)では 遠隔転移までの生存期間:distant metastasis-free survival (DMFS)(p< 0.01)、 疾患再発までの生存期間:disease-free survival (DFS)(p<0.01)、 包括生存率:overall survival (OS)(p=0.01)改善
しかし、局所再発までの生存率:locoregional progression-free survival (LRPFS)改善せず

年齢補正、Karnofskyパフォーマンススコア、組織型、併用化学療法、放射線量、総腫瘍量、高血圧、COPD、アスピリン使用補正多変量解析では、β遮断剤服用は、有意にDMFS [hazard ratio (HR), 0.67; P = 0.01]、DFS (HR, 0.74; P = 0.02)、OSCAR (HR, 0.78; P = 0.02)と関連
β遮断剤使用と、LRPFSの相関認めず (HR = 0.91, P = 0.63)


高齢者:β遮断剤は微小脳梗塞予防的働きがある? H25/01/08

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