2013年1月9日水曜日

RCT:変形性膝関節症へのビタミンD投与は無効 ・・・ 疼痛スコア悪化・膝機能の可能性も・・・

有痛性変形性膝関節症に対し、ビタミンDは疾病進行抑制に役立たないどころか、症状・機能面で悪化をもたらす可能性がでてきた。


“骨を丈夫にするからビタミンD”補給を!なんて、膝痛患者には言わないように!


"Effect of Vitamin D Supplementation on Progression of Knee Pain and Cartilage Volume Loss in Patients With Symptomatic Osteoarthritis: A Randomized Controlled Trial"
McAlindon T, et al
JAMA 2013; 309 (2): 155-162.

有症状変形性膝関節症146名(平均年齢 62.4歳[SD 8.5歳]、女性 57名、白人 115(79%))へのcholecalciferol(ビタミンD3)とプラシーボの2年のランダム化プラシーボ対照化二重盲検臨床トライアル

介入:経口コレカルシフェロール 2000 IU/d投与、36 ng/mL超になるよう増量

プライマリアウトカムは、膝痛重症度((Western Ontario and McMaster Universities [WOMAC] pain scale, 0-20: 0, no pain; 20, extreme pain)、軟骨減少容積 (WOMAC function scale, 0-68: 0,  no difficulty; 68, extreme difficulty)、軟骨厚、骨髄病変、レントゲン上の関節スペース幅

研究完遂 85%
血中25-OHビタミンD 濃度は、治療群 平均16.1 ng/mL(95% CI, 13.7-18.6)で、プラシーボ群では平均 2.1 mg/mL(95% CI, 0.5-3.7)(P<.001)

ベースライン膝痛比較では治療群のほうが対照群より軽度悪化 (平均, 6.9; 95% CI, 6.0 - 7.7 vs  5.8; 95% CI, 5.0 - 6.6) (P = .08)

ベースライン膝機能比較では、さらに治療群の方が有意に悪化 (平均, 22.7; 95% CI, 19.8 - 25.6 vs 18.5; 95% CI, 15.8 - 21.2) (P = .04)

膝痛は両群で減少:治療群 平均 −2.31 (95% CI, −3.24 - −1.38)、プラシーボ群 平均−1.46 (95% CI, −2.33 - −0.60)で、どの期間でも有意差無し

軟骨容積比率は両群で同様に減少 (平均, −4.30; 95% CI, −5.48 - −3.12 vs 平均, −4.25; 95% CI, −6.12 - −2.39) (P = .96)

どのセカンダリエンドポイントでも差を認めず


気になるのは平均WOMAC疼痛スコアがビタミンD投与群で悪化していること!




25-OHビタミンD 濃度の表記がngとmgが混在してる。おそらく ng/mLのほうが正しいと思うが・・・

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