12歳前後で比較の後年発症喘息発現型は、それより若年発現型に比べ、血中L-アルギニン/ADMA比率によりBMIとFENOの逆相関性が明らか。しかも、この血中L-アルギニン/ADMA比は、この発現型において、肺機能、呼吸器症状頻度などと相関性をもち、12歳以降の喘息発症児の病態生理と大きく関連性をもつと考えられる。
An Association between l-Arginine/Asymmetric Dimethyl Arginine Balance, Obesity, and the Age of Asthma Onset Phenotype
Am">http://ajrccm.atsjournals.org/content/187/2/153.abstract.html?etoc">Am. J. Respir. Crit. Care Med. January 15, 2013 vol. 187 no. 2 153-159
BMI高値は、呼気区画FENOの減少と相関する。これは、ADMA/ Lアルギニン濃度非対称性増加のためであり、NO合成酵素(NOS)のuncouplingの増大をもたらす。
喘息発症年齢横断的にこのメカニズムを比較し、喘息合併症・肺機能の関連性を検討
Severe Asthma Research Program:早期発症(12歳未満)、後期発症(12歳以降)の後年発症喘息発現型比較
L-アルギニンADMA中央値濃度高値(後期発症 0.48μM、[中間4分位:IQR, 0.35-0.7 、早期発症 0.37 μM[IQR, 0.29-0.59]
血中Lアルギニン中央値濃度低値(後期発症 52.3[IQR, 43-61]、 早期発症 51μM[IQR, 39-66])
log(血中L-アルギニン/ADMA)は、後期発症発現型において、BMIと相関(r = −0.4, P = 0.0006)
一方、早期発症発現型では相関有意差認めず (r = −0.2, P = 0.07)
後期発症発現型において、FENOはBMIと逆相関するが、L-アルギニン/ADMA補正後その相関性は消失する。
また、この発現型では、L-アルギニン/ADMA比低下は、IgE低値、呼吸器症状増加、肺容量低下、喘息QOL悪化と相関する。
NOはL-arginineを基質として、NOSより産生される。NO産生不全や生物学的活性低下の原因として、1)NOの基質であるL-アルギニンの欠乏、2)NO合成酵素(NOS)の発現低下、3)NOSの二量体の保持に必須である補酵素tetrahydrobioptein(BH4)のケト右房(この補酵素の欠乏によりNOSアンカップリングが生じ、NOSよりNOではなく、活性酵素種(reactive oxygen species:ROS)が産生される。4)ROSによるNOの不活性化、強力なラジカルであるバーオキシナイトライト(ONOO・の生成、BH4の酸化、5)ADMAなどのメチル化アルギニンによる競合阻害(ADMAはNOの基質であるL-アルギニンのメチル化異性体)などが挙げられる。なかでもADMAは、CVD、糖尿病、メタボリック症候群、CKD患者血中で増加し、その上昇が、内皮障害や動脈硬化の程度のみならず、CVD発症、CKD進展や生命予後の重要な規定因子であることが相次いで報告されてきており、内皮障害の主要な原因物質かつCVD、CKDの有用なバイオマーカーとして着目されている。http://www.book-stack.com/browsing/msd201006t.pdf
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