2013年1月18日金曜日

左室収縮機能不全:β遮断剤共有のクラス効果である



ガイドラインでは有症状心不全で、NYHA I以上、AHA/ACC分類StepB以上でβ遮断剤適応だが、今回、左室収縮機能不全患者に関して、多くのβ遮断剤共通の効果(class effect)あるかどうかの報告


Benefits of β blockers in patients with heart failure and reduced ejection fraction: network meta-analysis
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f55 (Published 16 January 2013


アテノロール(テノーミンなど)、ビソプロロール(メインテートなど)、ブシンドロール、カルベジロール(アーチスト)、メトプロロール(ロプレソールなど)、ネビボロールの21トライアルの異なるβ遮断剤の心不全への有効性システマティックレビューとメタアナリシス

総合解析にて、β遮断剤はプラシーボ・標準治療比較で、中央値12ヶ月での、死亡率ベネフィットが確実(オッズ比 0.69、0.56~0.80)

しかし、異なるβ遮断剤でのガチンコ比較では死亡リスク、心臓突然死、ポンプ機能不全による死亡、薬剤中止率に関して明らかな違いはない。

左室駆出率改善効果も個別薬剤毎でなく、同等。




日本の心不全ガイドライン(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_matsuzaki_d.pdf)記載のβ遮断剤はカルベジロール、メトプロロール、ビソプロロール
ただ、心不全医療保険適応はカルベジロール、ビソプロロールのみで、後発品剤型によっては保険適応外なので注意が必要。

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