2013年1月31日木曜日

急性重度栄養障害(SEM)への抗生剤投与 死亡率・回復率改善

世界的にみれば、小児の合併症・死亡率に広く寄与しているSevere Acute Malnutrition(SAM)

正式日本語名があるのかもしれないが、急性重度栄養障害とした。
Management of severe acute malnutrition in children. Lancet. 2006 Dec 2;368(9551):1992-2000.
 体重/身長比中央値 あるいは National Centre for Health Statistics 平均参照値 SD以下 70%以下、栄養障害由来両側瘢痕性浮腫、または、上腕中間径 1−5歳で110mmと定義
 世界で毎年100−200万人罹患。
SAM症例は偏在的で、入院収容不能で、治療の限界あり、致死率20−30% 、医療カバー10%未満。
新鮮・既成・治療的食品およびサービスへのアクセスの量的増加プログラムによりコストを適切に軽減できる。合併症なきSAMは外来治療可能。
多くの報告で重症栄養障害による入院の子供の場合重大な感染症頻度が高い。この観察結果にて、外来治療ルーチン抗生剤使用が推奨されている。
この方針に対して、不要かつ、有害であるという指摘もあった。



マラウイ国 6−59ヶ月齢ランダム化二重盲験トライアルで、このSAMへの抗生剤投与は、回復率改善し、死亡率改善に役立つことが判明した

Antibiotics as Part of the Management of Severe Acute Malnutrition
Indi Trehan,  et. al.
N Engl J Med 2013; 368:425-435January 31, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1202851

治療的規制食品投与とともに、SAM症例に対し
・アモキシシリン
・セフジニル(セフゾン)
・プラシーボ
の7日間
プライマリアウトカムは:栄養回復率と死亡率

SAM症例2767名登録

回復率 アモキシシリン群 88.7%、 セフジニル群 90.9%、 プラシーボ 85.1%
プラシーボ比較の治療失敗相対リスクは、アモキシシリン群に対し 1.31、95%信頼区間 1.04−1.68、 セフジニル群に対し 1.64、95%信頼区間 1.27−2.11

死亡率に関して、それぞれ、4.8%、4.1%、7.4%

死亡相対リスクは、
プラシーボ vs アモキシシリン 1.55、95%信頼区間 1.07−2.24
プラシーボ vs セフジニル 1.80、95%信頼区間 1.22ー2.64

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