2013年1月31日木曜日

SFTS 日本へ

中国におけるSFTS(血小板減少を伴う重度発熱疾患)の原因:ブニヤウイルス属のフレボウィルス 2011年 03月 21日

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これがついに日本に波及してきたってことらしい

日本語正式名称がまだなかったので、血小板減少を伴う重度発熱疾患と訳しているが、今は、重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome,SFTS)が正しい呼称ということになる。


NIID国立感染症研究所
<速報> 国内で初めて診断された重症熱性血小板減少症候群患者 (掲載日 2013/1/30)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/sfts/sfts-iasrs/3142-pr3963.html

重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome,SFTS)はブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新規ウイルス、SFTSウイルス(SFTSV)、によるダニ媒介性感染症である。2011年に中国でSFTSと命名された新規感染性疾患が報告されて以来1) 、中国国内の調査から現在7つの省(遼寧省、山東省、江蘇省、安徽省、河南省、河北省、浙江省)で患者発生が確認されている1, 2) 。国内で初めて、発熱や血小板減少等の症状を呈し亡くなられた患者が、ウイルス学的にSFTSVによる感染症と診断されたので報告する。
・・・・
確定診断には、血液などからのSFTSVの分離・同定、RT-PCRによるSFTSV遺伝子検出、急性期及び回復期におけるSFTSVに対する血清 IgG抗体価、中和抗体価の有意な上昇の確認が必要であり、現在国立感染症研究所ウイルス第一部で検査が可能である。治療に関しては、リバビリン使用の報 告があるが2) 、その有効性は確認されていない。基本的に対症療法となる。有効なワクチンはない。
医療機関における院内感染予防には、ヒトからヒトに感染する接触感染経路があることから4) 、標準予防策の遵守が重要である。また、臨床症状が似た患者を診た場合にはSFTSを鑑別診断に挙げることが重要である。
SFTSVに感染しないようにするには、ダニに咬まれないようにすることが重要である。草むらや藪など、ダニの生息する場所に入る場合には、長袖の服、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出を少なくすることが重要である。
SFTSが疑われる患者を診た場合には、最寄りの保健所、または、国立感染症研究所問い合わせ窓口(info[アットマーク]nih.go.jp)に連絡していただきたい。
 臨床症状とは・・・
SFTSVに感染すると6日~2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)、頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳、咽頭痛)、出血症状(紫斑、下血)等の症状が出現

新聞情報
ダニ媒介 新感染症で死者 国内初 山口の成人女性 2013年1月31日 朝刊http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013013102000103.html





CDC ;Emerging Infectious Disease
Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome Virus, Shandong Province, China
Vol. 18, Num. 6 June 2012
http://wwwnc.cdc.gov/eid/article/18/6/11-1345_article.htm



追記
ダニ媒介の感染症 新たに2人死亡
2月13日 10時9分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130213/t10015476891000.html
去年秋、ダニが媒介するウイルスによる新たな感染症で、山口県内の女性1人が死亡したことが国内で初めて確認されたことを受けて、厚生労働省が調べたところ、愛媛県と宮崎県でも去年秋に成人の男性1人ずつが同じ感染症で死亡していたことが分かりました。
男性2人は、いずれも最近、海外に行ったことはなかったということで、厚生労働省は国内でダニにかまれて感染したとみて詳しく調べています。



日本で発症のSFTSの医学情報かなり乏しい、米国CDCがからまないと、感染症に関する対策や情報進まない、日本の現状はなさけない。確かに、Uukunlemi virusも含め、ブニヤウィルスに関する知見が少なく、分類さえ曖昧だったこともその原因だろうが、日本でのワクチン開発や薬剤開発の声を聞かないのはさすがに心許ない。                             。

主に、N Engl J Med 2011; 364:1523-1532 April 21, 2011 からの情報


【病原】SFTS bunyavirus (SFTSV):ブニヤウイルス科。そのビリオンは92~105nmであり、エンベロープを有する。ゲノムは3分節のマイナス鎖RNA。フレボウイルス属およびトスポウイルス属のRNAの一部はプラス鎖で機能する。


3つの遺伝子セグメント末端は、他のphlebovirusと類似、L segmentは、6368の核酸で2084のアミノ酸をencode する、ひとつのopen reading frame。M segmentは2268の核酸で、1073のアミノ酸をencodeし、糖タンパク(Gn とGc)のprecursorである。
S segmentは1744の核酸からなるambisense RNAで、NとNSs proteinという2つの蛋白をencodeし、62-bp intergenic regionで反対側で分離する。

phylogenetic analysisで、Sandfly fever group (Rift Valley fever virus, Punta Toro virus, Toscana virus, Massila virus, and Sandfly fever Sicilian virus) とUukuniemi groupとほぼequidistant。

phlebovirusuの3番目のprototypeであることが示唆される。
SFTSVは、他のphrebovirusとは類似アミノ酸配列があるが、異なる部分が有り、区別される。
SFTSVのRNA依存RNA polymeraseとglycoproteinは
Both RNA-dependent RNA polymerase and glycoproteins of SFTSV are slightly more closely related to counterparts in Uukuniemi virus.

SFTSVのN protineは、Rift Valley fever virusと41.1%の類似性
S segmentをencodeするNSs protinのアミノ酸は、他のpholevirusと11.2から16.0%の類似性を示す。



リフトバレー熱:自然界では、主にヤブカ属の蚊と牛や羊の間で感染環が維持されている。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-04-37.html

ワクチン開発 → Building a better Rift Valley fever vaccine
University of Texas Medical Branch researchers have significantly improved an existing experimental vaccine for Rift Valley fever virus, making possible the development of a more effective defense against the dangerous mosquito-borne pathogen.

Uukuniemi:ウークニエミウィルス

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