2013年2月21日木曜日

肺がん低放射線量CT検診対象者篩い分け指標: PLCO/M2012  ・・・それにしても・・・日本・地方の悲惨さ

National Lung Screening Trial (NLST) で、低放射線量CTを用いた肺がん検診で、肺がん死亡率を20%減少させることが示されたことは大きい話題であった。高リスク対象者での臨床的実践としての肺がん検診の推奨が今始まったわけだ。

どこの県とは言わないが・・・リスク層別化せず、農協関係の団体が、放射線被曝リスク説明せず、県知事がテレビでそれを勧めるあほなところが存在するが・・・ 鹿**県

そういう馬鹿なところを除き、多くの場合推奨は「55-74歳で、喫煙歴 30 pack-yearsで、禁煙歴15年未満」 ただ、連続データの2分割で、多くのリスク変数情報が除外されてしまっていることが多い。リスク変数を再定義することで肺がん検診発見者あたりの検診必要数を減少させるべく、その工夫の論文


Prostate, Lung, Colorectal and Ovarian (PLCO) Cancer Screening Trialのときのデータを用い、肺がん検診効率化・見逃し少なくするよう工夫したリスク変数評価 
Selection Criteria for Lung-Cancer Screening
Martin C. Tammemägi, et. al.
N Engl J Med 2013; 368:728-736
February 21, 2013
DOI: 10.1056/NEJMoa1211776

修正PLCOM2012
・年齢/1歳増加毎 1.081(1.057-1.105) 
・人種・民族 白人 1.000、 黒人 1.484(1.083-2.033)、 アジア 0.475(0.195-1.160)、 アメリカ系インディアン・アラスカ原住民 1、ハワイ原住民・太平洋島原住民 2.793(0.992-7.862) 
・教育レベル1つ上がる毎 0.922(0.874-0.972) 
・BMI -1毎  0.973(0.955-0.991)

・COPD (yes or no)  1.427(1.162-1.751)

・がん既往(yes or no) 1.582(1.172-2.128)

・がん家族歴(yes or no) 1.792(1.472-2.200)

・喫煙状態(current or former) 1.297(1.047-1.605)

・喫煙強度

・喫煙期間-1年増加毎 1.032(1.014-1.051)

・禁煙期間-1年増加後 0.970(0.950-0.990)

NLSTクライテリアとPLCOM2012比較
AUCは、開発データで 0.803、評価データで 0.797

NLSTクライテリアに比べ、PLCは、
感度改善 (83.0 T vs 71.1% p<0 .001="" p="">PPV 4.0% vs 3.4% p=0.01
特異性消失なし 62.9% vs 62.7% p=0.54
41.3% ほど肺がん見逃し低下
NLST検診効果はPLCOM2012リスクによりばらつき少ない

財務省・厚労省の予算構築ってのは実に不思議
Efficacyを考慮しないずさんな行政施策というのが根本
検診というのは見逃しが存在しないという妄想が、官民ともにあり、いつまでも、無駄な検診で、血税垂れ流しがいつまでも続き、むしろ、拡大傾向にある
地方行政に目を向けると、もっと悲惨で、効果期待できない検診までも、受けない人間を罵倒する事態し強制することもある。
日本国中が検診性善説に毒されているが、その弊害を知っていながら、批判・忠告もしない全国の医師たちも同罪である。

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