2013年2月16日土曜日

敗血症:HESは腎置換療法・輸血必要性・重度合併症を増加させる

敗血症に関してだが、HES130/0.38-0.45は、他のクリスタロイド(晶質液 )やアルブミンと比較して、腎置換治療や輸血必要性を増やし、重度合併症を増やす危険性がある。


コロイドがクリスタルよりICUでは心肺蘇生環境で使われているが、国によってその使用選択にばらつきがある。世界的には hydroxyethyl starch(HES)が、アルブミンやゼラチンより用いられる国もある。


hydroxyethyl starch(HES)は高分子量hydroxyethyl starch 200/0.5-0.6で腎障害の可能性があり、130kDaの分子量で、0.38-0.45の構成比率なら安全ということだが、その安全性を支持する報告は不十分。

感染危険性がなく、血液製剤ほどにらまれないこともあり、血液製剤前にしようされることもある。



敗血症患者へのHES130/0.38-0.45をクリスタロイドとヒト・アルブミンのRCTのシステマティック・レビューとメタアナリシス

9つのトライアル、3456名の敗血症患者で、HES130/0.38-0.45 vs クリスタロイドやアルブミン比較で、相対死亡リスク影響認めない(1.04、95%信頼区間 0.89-1.22、3414名、8トライアル)が、事前定義解析バイアス低リスク死亡相対リスクは、1.11(1.00-1.23; TSA(トライアル連続解析)補正95%信頼区間 0.95-1.29、3016、4トライアル)

HES群では、腎機能補完療法機会が多い(1.36, 1.08-1.72 TSA補正 1.03-180, 1311名、5トライアル)

急性腎障害相対リスクは、1.18(0.99-1.40、TSA補正 0.90-1.54, 994名、4トライアル)



HES群はより輸血数が多く(1.29, 1.13-1.48, TSA補正 1.10-1.51)、より重度副事象イベントが多い(1.30, 1.02-1.67, TSA補正 0.93-1.83)


Hydroxyethyl starch 130/0.38-0.45 versus crystalloid or albumin in patients with sepsis: systematic review with meta-analysis and trial sequential analysis
BMJ 2013; 346 
doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f839 (Published 15 February 2013)Cite this as: BMJ 2013;346:f839


クリスタロイド(晶質液)としてHES製剤は少量から中等の出血で、輸血代用的使い方をされることが多い。 この報告ではHESが晶質液から切り離されて比較されている。

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