2013年2月7日木曜日

Lp(a)値に影響する LPA locus内の遺伝子変異が大動脈弁石灰化

大動脈硬化は良性経過と考えられるが、臨床的動脈狭窄進行、心血管合併症死亡率との関連性の可能性がある。僧帽弁輪石灰化は心血管疾患リスクと関連し、約50%ほどリスク増加させるとされる。弁疾患進行予防対策は今のところない。
遺伝子要素の関連性が明らかとなれば、その対策もできるだろう・・・ということでの遺伝子との関連性研究。




Lp(a)値に影響する LPA locus内の遺伝子変異が大動脈弁石灰化と、多民族横断的に相関するという新しい知見が見いだされた

アジア人種に関する検討はないので、日本人に、即、適応できない話。
Lp(a)は、脂質だが、線溶系 とも関連し、冠動脈疾患や脳血管疾患とも関連するため、興味深い。


Cohorts for Heart and Aging Research in Genome Epidemiology (CHARGE) consortium 内の調査

Genetic Associations with Valvular Calcification and Aortic Stenosis
George Thanassoulis, et.al.
for the CHARGE Extracoronary Calcium Working Group
N Engl J Med 2013; 368:503-512

lipoprotein(a) (LPA) locus (rs10455872) のSNPで、大動脈弁石灰化genomewideの有意性認めた(odds ratio per allele, 2.05; P=9.0×10−10)。この傾向はヨーロッパ、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系アメリカ人コホートでも再現。

遺伝的決定されたLp(a)値は、LPA genotypeで予測され、大動脈弁石灰化とも関連し、Lp(a)の原因的役割もあることを支持する所見である。

前向き解析では、LPA genotypeは、大規模なスウェーデン人コホートにおいて、大動脈狭窄発症と相関  (hazard ratio per allele, 1.68; 95% confidence interval [CI], 1.32 to 2.15) 、そして大動脈弁置換術 aortic-valve replacement (hazard ratio, 1.54; 95% CI, 1.05 to 2.27) とも相関。これは、独立したデンマーク人コホートでも再現。

2つのSNP (rs17659543 、 rs13415097)は、炎症惹起遺伝子 IL1F9の近傍にあり、僧帽弁石灰化に関しgenomewideに有意的  (P=1.5×10−8 、P=1.8×10−8,)、しかし、この所見は、常に再現された訳ではない。

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