重大冠動脈イベント(心筋梗塞、冠動脈再建、虚血性心疾患死亡)に対する、住民ベース症例対照研究
放射線治療における電離放射線の心臓への影響は、虚血性心疾患のその後の発生率増加と関連する。その増加は、放射線被曝量と直線的に相関し、暴露後数年で生じる。
心臓リスク要素有無にかかわらず、女性では、放射線療法のリスク増加に関し、絶対的な影響がある。
Risk of Ischemic Heart Disease in Women after Radiotherapy for Breast Cancer
Sarah C. Darby, et. al.
N Engl J Med 2013; 368:987-998 March 14, 2013
DOI: 10.1056/NEJMoa1209825
スウェーデン・デンマークにおける、 1958-2001年の放射線療法施行2168名
重大冠動脈イベント 963名、 対照 1205名
心臓全部への平均放射線量は 4.9 Gy (range 0.03-27.72)
平均被曝量との線型関係:Grayあたり 7.4%(95%信頼区間, 2.9-14.5; p < 0.001)の増加
明確な閾値を認めず
放射線療法5年内に増加し、その後30年間継続
1 Grayあたりの重大冠動脈イベント発生率は比例的で、冠動脈リスク有無にかかわらず同程度
乳がんに対する放射線療法の検討のため、女性だけの検討になっているが、福島原発事故に関しても示唆を含む研究。福島の事故の心血管イベント増加はこれからなのだろう。
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