2013年3月13日水曜日

住民レベル母乳保育促進は肥満予防に役立たず・・・ 肥満以外の効果があることも考慮すべき

母乳保育継続期間・母乳保育のみという環境と肥満の関連性、小児肥満と、血中インスリン様成長因子(IGF-I)の関連性の検討



ベラルーシの健康満期産児において、母乳保育期間・母乳保育比率増加へ介入成功したが、肥満・過体重予防効果認めず、11.5歳時点でのIGF-I値に変化認めず。
母乳は多くの利点を有するとは思うが、住民戦略としての母乳単独比率増加・期間延長は肥満疫学改善にはつながらない。

Effects of Promoting Longer-term and Exclusive Breastfeeding on Adiposity and Insulin-like Growth Factor-I at Age 11.5 YearsA Randomized Trial
Richard M. Martin, et. al.
JAMA. 2013;309(10):1005-1013. doi:10.1001/jama.2013.167.



クラスターランダム化対照化トライアル
クラスターとして二群へ育成病院・関連クリニックをランダム化
・母乳促進介入(n=16)
・通常(n=15)
 17046の母・乳児ペア、1996-1997年登録
フォローアップ 2008年1月から2010年12月まで、中央値 11.5歳

主要アウトカム:BMI、脂肪体重・除脂肪体重(FMI、FFMI)、ウェスト径、上腕三頭筋・肩胛骨皮膚厚、過体重・肥満、血中IGF-I

実験的介入群では、母乳保育期間増加し、対象に比べ母乳のみ比率が高い (3ヶ月時点での母乳のみ比率 43% vs 6% 、6ヶ月時点 7.9% vs 0.6%)
11.5歳時点でのアウトカム・クラスター補正平均差:
BMI 0.19 (95% CI, −0.09 〜 0.46)
FMI 0.12 (−0.03 〜 0.28)
FFMI  0.04 (−0.11 〜 0.18) 
脂肪比率 0.47% (−0.11% 〜 1.05%)
ウェスト径 0.30 cm (−1.41 to 2.01)
上腕三頭筋皮膚厚 −0.07 mm (−1.71 〜 1.57)
肩胛骨下皮膚厚 −0.02 mm (−0.79 〜 0.75)
IGF-I 標準偏差 −0.02 (−0.12 〜 0.08)

クラスター補正オッズ比は、過体重・肥満  (BMI ≥85th vs <85th 0.97="" 1.01="" 1.17="" 1.18="" 1.39="" 1.41="" ci="" nbsp="" percentile="" span="" th="" vs="">
 
解説に書いてるが、母乳保育では、消化管感染症減少、
皮膚湿疹減少、記憶・思考能力優越性が示されている。故に、肥満だけの問題だけを考えるべきではない。肥満は母乳保育以外の影響が大きいため、解釈に注意が必要と書かれている。
 

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