2013年3月18日月曜日

終末期ケア:COPD終末期ケア・緩和ケア概念広がらず ・・・ 肺がんの重症指標・入院数を凌駕するにかかわらず・・・

「重度COPDは、予測不能な経過をたどる、多種症状の疾患である。予後は肺がんと類似する」という序文

 「 Living and Dying Well」ガイドラインと、スコットランドの緩和・終末ケアを比較


End-of-Life Care in a General Respiratory Ward in the United Kingdom
Selina Tsim, et. al.
American Journal of Hospice and Palliative Medicine (15 March 2013), doi:10.1177/104990911348126

 死亡66例のうち、57例のデータ入手
肺がん患者の方がCOPD患者に関する予後記載多い(60% n=9 vs. 8.3% n=1)
加え、院内緩和ケア関与レベル、終末期意思決定記録圧倒的(50%, n= 7 vs. 0% 、28.6%, n=4 vs. 8.3%, n=1)
肺がん患者では、死亡前12ヶ月での、終末期臨床指標数少なく、入院回数少ない。

 COPDにおいて、ケアプランニングを緩和ケア関与、終末期ケアに関する意思決定議論乏しい現状。予測的なケアプランニング早期開始を含めた、疾患予後・患者希望に関する議論をタイムリーに効果的に行うことが望まれる。


日本では、ホスピス利用はがんなどの悪性新生物疾患とHIVに限られる。一般的に、終末期というのは、脳血管疾患・神経筋疾患だって、心不全だって、腎不全だって存在するのだが、ホスピス対象疾患以外の終末期ケア議論の質量ともに乏しい。
COPD患者でも、終末期と判断せざる得ない状況があり、呼吸毎の呼吸苦及びそれに伴う絶望感、意欲低下を伴い、終末期宣言は現実的には困難な状況が伴う。

COPD終末期を具体的記載しているスコットランドの報告
http://www.palliativecareguidelines.scot.nhs.uk/documents/Lungdisease.pdf

Identification: Does this patient need palliative care?
死亡率予測特異的ツールはあるが、個別的は役立たず
6−12ヶ月後に死亡してもおかしくないとき、患者・家族へ緩和ケア需要を評価


Clinical indicators of advanced lung disease:
•るいそう; 低BMI (< 21)、パフォーマンス状況不良・悪化
•感染性急性増悪、呼吸不全入院増加
・重症気道閉塞 (FEV1< 30%)
•重度拘束性 (VC < 60%, transfer factor < 40%)
・長期酸素療法クライテリア一致 (PaO2< 7.3kPa)
•至適治療によっても症状持続、重症
•急性増悪、安静時・軽労作でも運動制限
•有症状右心不全

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