2013年3月29日金曜日

LDL Friedewald推定式で 70mg/dLの場合過小評価の可能性

【日本の世界標準と異なるLDL直接法臨床利用問題】もついでに強調したい
LDL直接測定法標準化問題が結局は問題だと思うのだが、Friedewald法に頼らざる得ない現状はかわらない。
LDL直接法は臨床の場から消滅すべき 2012/07/04
だが、日本では、LDLコレステロールの特定健診による誤用、それを訂正しようとしない東京大学の某先生をはじめとするクソ官僚側の暴走により、世界的な評価法と異なるLDL評価が臨床の場にはびこってしまっている。

本来、トリグリセライド400mg/dL以上という例外以外は、Friedewald推定式を用いるべきはず。

だが、このFriedewald法ではLDLーCの過小評価可能性があるという論文

かんちがいするアホがいるとこまるのだが、あくまでも、Friedewald式を用いたLDL-Cがその評価の中心で有り、例外事項が増えるという話

Friedewald Estimated versus Directly Measured Low-Density Lipoprotein Cholesterol and Treatment Implications
Seth S. Martin, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2013;():. 

doi:10.1016/j.jacc.2013.01.079
【目的】  Friedewald推定値と、LDL-C直接測定値との比較

【背景】  ルーチンに治療ガイドのためには、LDL-Cは、Friedewald式で大まかに推定されているが、直接測定値とのcompatibilityに関して、比較的少ない検討しかされてない、特に、< 70 mg/dlで、高リスク患者における治療目標とされるレベルにおいて検討が十分と言えない。

【研究手段】  1,340,614 U.S. 米国成人、 vertical spin density gradient ultracentrifugation (Atherotech, Birmingham, AL) による脂質特性profilling化(2009 〜 2011)。 標準診療に従い、トリグリセライド(TG) 400 mg/dL以上(n = 30,174)なら、Friedewald LDL-C推定は行わず、総数として1,310,440名、Friedewald LDL-C < 70 mg/dLは191,333名

【結果】  59±15歳(平均±SD)、女性 52%、脂質のデータ分布はNHANESのそれにマッチ化 。
低LDL-C及び高TG値では、Friedewaldと直接法の差が大きい

Friedewald推定LDL-Cが 70 mg/dL 未満の時
TG 150−199 mg/dL なら、直接法LDL-C中央値のほうが、9.0 mg/dL(5〜95パーセンタイル、1.8−15.4 mg/dL)高い
TG 200-399 mg/dL なら、直接LDL-C中央値のほうが、18.4 mg/dL(5〜95パーセンタイル 6.6-36.0 mg/dL)高い 

Friedewald LDL-C 70 mg/dL未満の患者では、直接測定法 LDL-C 70 mg/dL以上が23%存在する(TG 150-199 mg/dLなら 39%、 TG 200-399 mg/dLなら 59%)

【結論】  Friedewald 推定式は、正確性きわめて必要な場合に、LDL-Cを過小評価する傾向にある。
Friedewald推定で、LDL-C 70 mg/dL未満に分類されるなら、例えばTGが 150 mg/dL以上の場合高リスク群患者で評価につき配慮が必要である

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