2013年3月26日火曜日

単回アセトン呼気分析(SIFT-MS):非代償性心不全評価

リサーチ・レター として報告

Single Exhaled Breath Metabolomic Analysis Identifies Unique Breathprint in Patients With Acute Decompensated Heart Failure
Michael A. Samara,  et. al.
J Am Coll Cardiol. 2013;61(13):1463-1464. 
doi:10.1016/j.jacc.2012.12.033
ion-flow tube mass-spectrometry (SIFT-MS)による呼気アセトン濃度検出
25名の連続患者・非代償性心不全と対照の前向き研究で、 患者群で 811 /pb (vs 対照 187, p = .001)

pentaneでも同様に中央値 40 ppb vs 22 ppb, p = 0.03
 

Selected ion-flow tube mass-spectrometry (SIFT-MS)というのは、定量的マススペクトロメトリと高流量チューブ技術の組み合わせで、呼気分析に最適で、試料準備や校正が不要ということでも簡便性が期待できるとのこと
量産されればうれしい

以上は、呼気アセトン検出が、非代償性心不全の迅速検出に役立つかもしれないというものだが、いわゆる、呼気VOCs測定は時折話題になり、がん呼吸器疾患などの報告が目立つ。
犬によるがん嗅ぎ分け ・・・ 安定的判断可能 2011年 08月 19日
肺がん:組織型の鑑別に においセンサー利用 2010年 01月 14日
呼気中のcondesate pH:喘息急性悪化のみ低下 COPDでみられず 2010年 12月 21日

比べると、心不全評価報告は少ないようだが、呼気アセトンをマーカーとする報告がなされていた。
Exhaled Acetone as a New Biomarker of Heart Failure Severity
Fabiana G. Marcondes-Braga, et. al.
Chest Aug 2012, vol. 142 (2) : 457-466
ethane 、 1-pentane、 isoprene、 acetone、 sulfur-containing compounds (hydrogen sulfide and carbonyl sulfide)が候補で、酸化ストレス後の体がん循環終末としてアセトンなどが表出されると書かれている。

対象疾患の広がりや技術拡大を含め、VOCsの臨床面利用がさらに広がるのかもしれない。

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