2013年4月8日月曜日

COPD急性増悪時抗生剤使用 前向き検討:クラリスロマイシンの心血管イベント・全死亡率への影響

真向きデータベース集積解析;英国の2009−2011年英国12病院いづれか受診したCOPD患者での、1343名の検討
それに市中肺炎1631名患者での検討を加えたもの

COPD急性増悪は、ABC療法  (antibiotics, bronchodilators and corticosteroids)


クラリスをマクロライド系の代表と考えると、その第一である抗生剤(antibiotics)の選択として影響を与える。ただし、フルオロキノロン系もQT延長などに影響を与えるわけで・・・薬剤選択隘路に・・・


Cardiovascular events after clarithromycin use in lower respiratory tract infections: analysis of two prospective cohort studies
Stuart Schembri, et. al.
BMJ : British Medical Journal, Vol. 346 (21 March 2013)
doi:10.1136/bmj.f1235 Key: citeulike:12211912

心血管イベント発生 1年間で、COPD急性増悪 268、 CAPコホート 171


COPD急性増悪では、多変量補正後、クラリスロマイシンは、COPD急性増悪にて、心血管イベント、急性冠症候群で、それぞれハザード比 1.50(95% 信頼区間, 1.13 - 1.97)、 1.67 (1.04 - 2.68)

COPD急性増悪コホートの心血管疾患イベント Cox補正生存率カーブ


市中肺炎では、それぞれ、 1.68 (1.18 - 2.38)、しかし、急性冠症候群では有意でなかった ( 1.65, 0.97 - 2.80)

一般住民肺炎コホートでのCox補正生存率カーブ

クラリスロマイシンと心血管イベントの相関は、 propensityマッチ化後も維持。

COPD急性増悪における、クラリスロマイシンと心血管死亡率の有意相関がみられる(補正ハザード比 1.52, 1.02 - 2.26)が、全原因死亡率では見られない( 1.16, 0.90 - 1.51)。


市中肺炎と全原因死亡率も相関認めず。

クラリスロマイシンのより長期使用は、より心血管イベント増加と関連する。

βラクタム及びドキシサイクリン使用は、心血管イベント増加と関連せず、クラリスロマイシン特有の副作用と思われる。



アジスロマイシンと心血管死亡リスク:絶対的影響は少ないが、心血管疾患患者では考慮必要? 2012/05/17

米国FDA警告:ジスロマック・致死的不整脈リスク 2013/03/13

急性肺障害:マクロライド抗生剤使用によりアウトカム改善 2012/05/02 

COPD急性増悪予防:アジスロマイシン持続療法 2011年 08月 25日

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