2013年4月3日水曜日

黄色ブドウ球菌ワクチンV710 胸部手術症例治験失敗

黄色ブドウ球菌感染は心臓胸部手術の重篤な合併症。新しいワクチン候補である、V710は、S aureus iron surface determinant B高保存的含量で、免疫原性、耐用性が期待できる

心臓胸部手術症例での二重盲験ランダム化イベント発生型トライアル
V710ワクチン 60 μg (n = 4015)  とプラシーボ (n =4016)



術後菌血症・深部感染予防効果無く、感染関連死亡率増加じゃたしかに意味が無い

Effect of an Investigational Vaccine for Preventing Staphylococcus aureus Infections After Cardiothoracic SurgeryA Randomized Trial
Vance G. Fowler, et. al.
JAMA. 2013;309(13):1368-1378. 

プライマリアウトカムは、90日間黄色ブドウ球菌血症 and/or 深部胸骨部感染(縦隔炎を含む)予防効果
セカンダリアウトカムは、術後90日間黄色ブドウ球菌手術部位感染と侵襲性感染

独立モニタリング委員会は、安全性懸念・低有効性故、二次内部分析後研究終了推奨
研究終了時プライマリエンドポイント予防、有効性有意差認めず(介入 22/3528 [2.6 per 100 person-years] vs プラシーボ 27/3517  [3.2 per 100 person-years]; 相対リスク, 0.81; 95% CI, 0.44-1.48; P = .58)、セカンダリエンドポイントでも認めず。
抗体反応増加はみとめた。
ワクチン当初14日間の副作用が多く (介入群 1219/3958  [30.8%; 95% CI, 29.4%-32.3%] vs プラシーボ  866/3967  [21.8%; 95% CI, 20.6%-23.1%], 注射部位反応 797 [20.1%; 95% CI, 18.9%-21.4%] vs 378 [9.5%; 95% CI, 8.6%-10.5%] 、 重篤副作用 66 [1.7%; 95% CI, 1.3%-2.1%] vs  51 [1.3%; 95% CI, 1.0%-1.7%] )、さらに多臓器障害発生率有意増加  (100人年あたり 31 vs 17 ; 0.9 [95% CI, 0.6-1.2] vs 0.5 [95% CI, 0.3-0.8] ; P = .04)
100人年あたりの重度副作用発生率、全死亡率に関しては統計学的有意差に至らなかったが、黄色ブドウ球菌感染に関わる死亡率はV710ワクチンの方がプラシーボより高率  (100人年あたり15/73 vs 4/96; 23.0 [95% CI, 12.9-37.9] vs 4.2 [95% CI, 1.2-10.8]  ; 差, 18.8 [95% CI, 8.0-34.1] )

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