2013年5月29日水曜日

ACOG推奨:妊娠糖尿病スクリーニング :一律、妊娠24-28週 75g糖負荷試験2時間値推奨(糖尿病既往を除き) 空腹時血糖、HbA1cなどの利用は推奨できず

無症候性妊娠糖尿病(gestational diabetes)について、妊娠24週以降篩い分けが行われるべき。現状でなされているリスクによる篩い分け検査では評価不能で、不十分との見解。

50gOGTTがなされているが、ADAからのガイドラインに類似し、糖尿病既往なし24-28週妊娠女性に 75gOGTTを用いた2時間値を、American College of Obstetricians and Gynecologists は、推奨

この推奨により、母子ともに中等度のネットベネフィットを少なくとも与えることになる。長期・メタボリック・ベネフィットは確実ではないが、出産前受診少ないほど有害性高いというエビデンスは少ないがある。妊娠期間比較低成長・新生児低血糖は多くはない、しかし、有意差を検出するほどのパワーはなく検出力不足であった。

治療文献レビューでは5つのRCT、6つのコホート研究を含む。様々な治療戦略間の明確な勝者を示すエビデンスなし。

経口糖負荷閾値 7.8の検査特性では、感度 70%-88%、特異度 69-89%
陽性尤度 2.6-6.5、 陰性尤度 0.16-0.33

閾値 130 mg/dLとすると、感度 88%-99%となるが、特異度 66-77%と低下
陽性尤度 2.7-4.2、 陰性尤度 0.02-0.14
 
空腹時血糖で、簡易・時間節約的代替法となることも示唆、その閾値は、85mg/dL
感度 87%だが、特異度は低く 52%、陽性尤度 1.8で、異常OGTT結果予測性としては十分ではなかった。

糖化ヘモグロビンもまた代替として考えられるが、他の検査よりその特性は優れていなかった。

代替的スクリーニングアプローチに関しエビデンスは不適当。故に、臨床実践としてこれら代替法は推奨せず

また、24週前の篩い分け検査に関してはデータ少なすぎる。


Screening Tests for Gestational Diabetes: A Systematic Review for the U.S. Preventive Services Task Force
Lois Donovan, et. al.
Benefits and Harms of Treating Gestational Diabetes Mellitus: A Systematic Review and Meta-analysis for the U.S. Preventive Services Task Force and the National Institutes of Health Office of Medical Applications of ResearchAnn Intern Med. Published online 28 May 2013 doi:10.7326/0003-4819-159-2-201307160-00657


日本では、75g糖負荷試験推奨されている
http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/c/q02/
これによると、
1)空腹時血糖 92mg/dL以上
2)1時間値 180mg/dL以上
3)2時間値 153mg/dL以上
の2ポイント以上が陽性の場合とさえる

故に、上記ACOG推奨とは異なるので、注意が必要。

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note