2013年5月29日水曜日

【中国流行・薬剤無効株出現】新型インフルエンザA/H7N9 ・・・ タミフルなど抗ウィルス薬治療耐性

H7N9に関し抗ウィルス治療有効という情報で安堵していたが、そうでもないようだ。

ザナミビル(リレンザ)やオセルタミビル(タミフル)耐性株確認

Association between adverse clinical outcome in human disease caused by novel influenza A H7N9 virus and sustained viral shedding and emergence of antiviral resistance
Published Online
May 28, 2013 http://dx.doi.org/10.1016/ S0140-6736(13)61125-3
http://download.thelancet.com/flatcontentassets/pdfs/S0140673613611253.pdf
上海の臨床センター受診、インフルエンザ A/H7N9 14名
全員肺炎発症、人工呼吸必要 7名、ECOMO施行 3名、死亡 2名
生存11名は全員が、抗ウィルス薬による咽頭ぬぐい液ウィルス量減少確認
3名は抗ウィルス治療でもウィルス量持続、ECMO依存
ザナミビルやオセルタミビル耐性と関連するNA遺伝子Arg292Lys変異を2名で発見
うち一人は、野生型sequence Arg292が抗ウィルス治療後2日間観察、治療開始後9日で、抵抗性mutant Lys292出現。



インフルエンザA(H7N9)特集ページ
(感染症情報>疾患名で探す>インフルエンザA(H7N9))
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/3395-n7n9top.html

(大正富山製薬配布パンフから)
・現時点では、ヒト・ヒト感染は確認されないが、パンデミックになる可能性はゼロではない。
【ウィルス所見】
① ヒト分離株全てのPB2遺伝子:トリ体温(41℃)からほ乳類上気道体温(34度)に低下させる変異
② ヒト分離株全てのHA遺伝子:ヒト型レセプターへの結合能上昇させる変異
ヒト上気道に感染しやすく、また、増殖しやすいように変化している可能性を示唆
③ ヒト分離株のうちの1株(A/Shanghai/1/2013)のNA遺伝子:オセルタミビルおよびザナミビルに対する感受性低下の可能性
④ 解析全株M遺伝子:アマンタジン、リマンタジンに対して耐性
⑤ ヒト分離株・環境分離株から、
i) トリに対して低病原性で、家禽・野鳥に感染しても症状が出ない
ii) H7亜型では一般に豚でも不顕性
iii) 哺乳動物間で症状示さず伝播し、ヒトへの感染源となる可能性
感染源は、生きたトリを一般市民に販売する市場で売られている家禽

H7N9はH5N1より死亡率は低いもの(死亡率は現在20-25%)の、発熱例は著明な呼吸不全や全身感染の様相を呈して重篤な経過を辿る例がある。

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