2013年5月15日水曜日

アンジェリーナ・ジョリーの選択:予防的乳房切除

アンジェリーナ・ジョリー( Angelina Jolie )  の決断、その行動をトレースすると、学術的医療センターからの指導を求めてなかったことを問題視している向きがあるらしい。ビバリーヒルズの「包括的・集約的乳腺疾患センター」という訳になるだろうか、「comprehensive and integrative breast center」のPink Lotusと密接にし、予防的両側乳房切除(doble masterctomy)を選択した。
New York Times (The Opinion Pages)はわざわざリンクを目立つように記事にし、強烈な印象を与えているとのこと。
MedPage Today誌で接触した専門家は、超先端ケアを受けてるかのごとく誤解されることに対し、Jolieの選択に、やや懸念をもっていると表明している。
http://www.medpagetoday.com/HematologyOncology/BreastCancer/39129


乳がんの約5%ほどで、BRCA変異を認めるが、大多数は他の要素。
遺伝子変異キャリアであるリスクとしては、若年診断乳がん、強い家族歴、黒人やアシュケナージ・ユダヤなどの民族。
BRCA遺伝子変異のキャリアは、乳がんの生涯リスク 80%−90%、卵巣がんの生涯リスク 40%−50%
主なオプションは、サーベイランスであり、タモキシフェンなどの化学治療による予防的薬物療法、そして、予防的両側乳房切除である。特に、乳房切除は最も有効。
もしBRCA変異検診を行う場合、訓練された遺伝的なカウンセラー、バランスのとれたdiscussionを勧める。



BRCA in breast cancer: ESMO Clinical Practice Guidelines

全乳がんの25%未満が家族感受性あり、BRCA1, BRCA2, CHEK2, TP53 と PTEN 遺伝子変異は乳がん・卵巣がん関与5%〜10%未満。BRCA1、BRCA2は乳がん関連遺伝子としてはpenetrance(浸透度)としては高度。CHEK2, ATM, BRIP1と PALB2は、稀で、乳がんリスクとしては中間的。乳がんに於ける遺伝子の要素として、70%超は不明。
BRCA1/2遺伝子変異住民頻度は、1遺伝子あたり〜 1/800から 1/1000。 乳がんの家族超過リスク 15%〜20%と推定される。BRCA1やBRCA2のgermline mutation頻度は民族や地域によりばらつきがあり、アシュケナージユダヤ、アイスランド、オランダ、スウェーデン、ノルウェイ、ドイツ、フランス、スペイン、カナダ、東欧・南欧各国。
家族歴選択肢にしない場合の、BRCA1とBRCA2変異頻度は、一般的に低く、BRCA1で1%〜7%未満、BRCA2で1%〜3%。
頻度高率なのは、乳がん卵巣がん家族歴、発症年齢若年、男性乳がん、多発眼(両側乳がん、乳がん・卵巣がん同時発症)
家族歴未選択症例のまとめデータによると、BRCA1変異キャリアの平均的累積リスクは、70歳までで、乳がん 65%(信頼区間: CI, 44%-75%]、卵巣がん 39%(18%-54%).
BRCA2ではそれぞれ、45%(31%-56%)、 11%(2.4%-19%)。男性乳がんの相対リスクはそれぞれより高く、特にBRCA2では6%。前立腺がんリスク増加がBRCA2キャリアで認められ、特に男性、65歳未満。他のリスク増加は、膵がん(〜2%)、胃がん、頭頸部がん。




遺伝性乳癌患者に対する予防的切除は癌その他のリスクを低減
2010. 9. 3
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201009/516505.html

卵管予防的切除:がん研有明病院がHBOCの“予防的切除”を開始した理由
新井 正美氏(がん研有明病院 遺伝子診療センター部長)
2012.10.1
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/cr/201210/526654.html

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