しかも、19.1万名中、5.4万件の心血管疾患イベント発生率、相対的リスク 1.5割〜3割アップというのはかなりの発生率と思う。荒っぽい推定だと、これらの薬剤処方されてる患者の心血管疾患イベントの1割が薬剤の副作用のためということになる。
Cardiovascular Safety of Inhaled Long-Acting Bronchodilators in Individuals With Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Andrea Gershon, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():1-9. doi:10.1001/jamainternmed.2013.1016.
重要性 Chronic obstructive pulmonary disease (COPD)は、コモンで死に至る病気でもある。長時間作動性βアゴニストや抗コリン剤はCOPD薬物治療としての第一選択薬剤である。薬物選択のとき、最小リスクであることを知ることは、医師・患者にとってベネフィットである。
目的 薬物クラスと、心血管イベント入院・ED受診リスクの相関性評価
デザイン マッチング・予後因子補正後、新規処方吸入LABA(長時間作動性βアゴニスト)、LAMA(長時間作動性抗コリン剤)間の後顧的コホート研究nested症例対照解析
セッティング 多文化住民1300万人を有する、カナダ随一の州であるオンタリオの医療データベース
被験者 COPD確認症例基準に合致した66歳以上全員、医療行政データに基づき、2003年9月1日から2009年3月31日間でのCOPD治療された症例
暴露 LABA、LAMA新規症例
主要アウトカム・測定 心血管イベントによるED受診、入院
結果 該当19万1005名中、5万3532 (28.0%)が心血管イベントのため入院・ED受診
LABA、抗コリン剤新規処方は、薬物使用なしに比べ、イベントリスク高い (対応補正オッズ比 1.31 [95% CI, 1.12-1.52; P < .001] 、1.14 [1.01-1.28; P = .03])
2つの薬剤種間において有意差認めず(補正オッズ比 LABA の LAAM比較で1.15 [95% CI, 0.95-1.38; P = .16]
結論・知見 COPD高齢者において、長時間作動性βアゴニスト、抗コリン剤新規使用は、心血管イベントリスクは同程度に増加させる。長時間作動性気管支拡張剤必要なCOPD患者においては薬剤クラスに関わらず、密なモニタリングが必要
65歳以上のスピリーバなどの抗コリン剤、セレベントなどのβアゴニストとも、長時間作動性気管支拡張剤は、肺機能改善させ、息切れ改善させるが、よりハードなアウトカムには副作用として働く。
ただでさえ、MCIDなんて、詐欺的アウトカムで、薬剤創出を後押ししている、呼吸器関連の学会 ・・・ ”軽症COPDに早期薬剤処方”という耳を疑うフレーズを耳にしてしまった。
喘息での、LABAの生命危機に関わる薬剤有害性は、多施設ランダム化研究:SMART study(e.g. Can Fam Physician. 2007 April; 53(4): 687–688. )以降、注目されているが、COPDでの薬剤有害性は、それに隠れていた。喘息・ICS-LABAでの薬剤有害性だって、わからない。検討項目から、アフリカ系アメリカ人などの人種的LABA有害感受性の高い群がはずれていた可能性がある。
Cardiac Risk May Increase with COPD Drugs
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/39313
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