アルツハイマー病は、機能的に独立した能力が進行的喪失されていく病気で有り、例えば、日々のタスクや個別ケア自己処理が困難となる。居宅患者では、ケア提供者にその分の負担がかかり、社会的コストや医療コストも増大する。
フィンランドの研究で、210名のアルツハイマー病(65歳以上)の配偶者ケアを受けている自宅患者での検討。
運動介入は、コスト増大無く、リスクも少なく、身体機能低下を緩徐化する
Effects of the Finnish Alzheimer Disease Exercise Trial (FINALEX)
A Randomized Controlled Trial
Kaisu H. Pitkälä, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;173(10):894-901. doi:10.1001/jamainternmed.2013.359.
【重要性】 アルツハイマー病患者の身体機能への運動の効果を研究した臨床トライアルは少ない。
【目的】 アルツハイマー病在宅患者の身体機能・移動能力への影響調査、利用及び医療・社会コストへの影響調査
【デザイン】ランダム化対照トライアル
【セッティング・被験者】配偶者介護されてるトータル210名の自宅居住アルツハイマー病患者
【介入】3つのトライアル・アーム
(1) グループベース運動 (GE; 4-時間 セッション、約1時間トレーニング)
(2) テーラー化自宅ベース運動 (HE; 1時間トレーニング)
・・・(1)(2)とも週2回×1年間
(3) 対照群 (CG) ・通常の地域ケアを受ける
【主要アウトカム測定】Functional Independence Measure (FIM)、 Short Physical Performance Battery、使用状況と・社会・医療コスト状況
【結果】全てグループでランダム化後、functioning悪化、しかし、悪化は、対照群で有意に迅速 (6ヶ月後 p=0.003、 12ヶ月後 p=0.015)。
12ヶ月後FIMの変化は、HE群、GE群、対照群で、それぞれ、 −7.1 (95% CI, −3.7 to −10.5)、 −10.3 (95% CI, −6.7 to −13.9)、 −14.4 (95% CI, −10.9 to −18.0)
フォローアップ年数中、HE、GE群は、対照群に比べ、転倒数有意に少ない
患者とケア提供者を一対とした場合の医療・社会トータルコスト (米ドル/患者・ケア提供者対/年間)は、HEにおいて、25,112米ドル (95% CI, 17,642 - 32,581米ドル) 、対照群比較で、 p = 0.13。
GE群は、22,066米ドル (15,931 - 28,199米ドル;p = 0.03 vs 対照)
対照群は、 34,121米ドル ( 24,559 - 43,681米ドル)
【結論・知見】アルツハイマー病患者での、強化的・長期運動プログラムは、身体機能へのベネフィット効果がある。医療・社会サービス総コストを増加せず、有意な副作用を認めない。
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