2013年5月9日木曜日

心血管疾患多リスク患者へのn-3不飽和脂肪酸の長期効果 ・・・ 否定 (対 オリーブオイル食)


n–3 Fatty Acids in Patients with Multiple Cardiovascular Risk Factors
The Risk and Prevention Study Collaborative Group
N Engl J Med 2013; 368:1800-1808
May 9, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1205409

【背景】心筋梗塞あるいは心不全患者へのn-3不飽和脂肪酸(PUFA)の利益的効果を示すトライアルがある。この報告では、心筋梗塞既往のない多くの心血管疾患リスク・動脈硬化疾患患者へ効果があるかの評価。
【方法】2重盲験プラシーボ対照化臨床トライアル
イタリア、860のGPによりフォローされた患者680名コホート
登録患者は多くの心血管リスク要素があるか、動脈硬化血管疾患を持つが、心筋梗塞でない男女
ランダムに n-3 脂肪酸 1g/日 と プラシーボ(オリーブ油)割り付け
初期特異的プライマリエンドポイントは、死亡・非致死的心筋梗塞・非致死的卒中の累積発生率
1年後のイベント率が被験者より低いことが判明したため、プライマリエンドポイントを改訂し、心血管疾患原因死亡/心血管原因のための入院までの期間とした。
【結果】
12513名登録、n-3脂肪酸割り付け 5244名、プラシーボ割り付け 6269
フォローアップ中央値5年間で、プライマリエンドポイント 1478/12505(分析中比率 11.8%)
n-3脂肪酸 733/6239 (11.7%) vs  プラシーボ 745/6266(11.9%)
( n-3脂肪酸 補正ハザード比 , 0.97; 95% 信頼区間 0.88-1.08; p=0.58)
帰無仮説結果が二次エンドポイントで見られた。
【結論】多くの心血管リスク要素をもつ患者の大規模GPコホートで、連日n-3脂肪酸は心血管疾患死亡率・合併症を減少せず。

「ロドリガ」 EPA-E 465mg、DHA-E 375 mg 、「エパデール」 EPA 300mg/600/900mg の、非心筋梗塞・非心不全患者での薬剤保険適応再評価はまだなのでしょうか? 健康保険適応として「高脂血症」となっており、この種の製薬が、日本では広い保険適応となっている。

オリーブオイルを食べた方がましだろうし、日本にもn-3豊富な食品あるわけだし・・・薬品として認可する意味合いって限定的だと思う。

GISSI Prevention (1999)では、n-3脂肪酸により心筋梗塞既往患者の心血管疾患死減少効果が認められ、GISSI-HFトライアル(2008)では心不全患者での魚油の死亡率・入院率減少効果が示されているから、この群では適応有っても良いと思うが・・・

厚労省(政府)は、製薬会社のために広大な保険適応を用意し、臨床医が実際にそれに従うと、マスコミなどを利用して薬の使いすぎとたたく。・・・医療費・医薬品部分高騰の原因の多くは厚労省にあるんだよ。・・・

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