重要性  がん患者における表現アートセラピー:Creative arts therapies (CATs) により不安、うつ、疼痛、疲労減少、QOL改善の可能性がある。しかし、がん患者におけるRCTの心理学的な症候への影響を検討したシステマティック・レビューは存在しない
目的  治療期間・フォローアップ期間中のがん患者におけるCATの心理的症候とQOLへの効果推定、効果が患者毎、介入毎、デザイン特性毎に変動有るかの検討
Evidence Review  2012年1月まで閲覧データベース: ERIC, Google Scholar, MEDLINE, PsycInfo, PubMed,  Web of Science
CATもしくは対照とがん患者をランダム割り付け、不安・うつ、疼痛、疲労、and/or QOLを介入前・後で測定されたRCTを含む。1576名の27研究。
effect size、moderator、研究の質に関わるデータ抽出。
Hedges d effect size をコンピュータ化し、random-effects modelを用い、サンプリングエラーと対象住民ばらつきを評価
所見  治療中、CATによる有意に不安  (Δ = 0.28 [95% CI, 0.11-0.44])、うつ(Δ = 0.23 [0.05-0.40])、 疼痛 (Δ = 0.54 [0.33-0.75]) 減少させ、QOL (Δ = 0.50 [0.25-0.74])増加。
疼痛はフォローアップ中減少  (Δ = 0.59 [95% CI, 0.42-0.77])
不安減少は以下の研究でも最大効果が示されている
 (1) 非CATセラピスト介入を、creative arts セラピストを用いた研究との比較
 (2) waiting-list や 通常ケア比較例
疼痛減少は、入院中施行で最大、外来では均一ながんグループ構成で最大; 外来均一グループでは統計学的より小規模の有意減少
結論とレビュー  がん患者で、CATを受けることは、不安、うつ、疼痛症状改善をもたらし、QOLを増加させる。しかし、フォローアップ中のみ減少効果である。



介入方法・手法や、効果持続など工夫が必要そうである