2013年5月16日木曜日

米国:プライマリケアでのナース・プラクティショナー数増加・業務内容拡大の方向性:医師・NP間の意見相違

米国に存在する、看護職の上位である、ナース・プラクティショナー(Nurse Practitioner, NP)の地位。日本でも特定看護師ということで、米国の制度を導入しようという動きが急なようだが、米国内では、さらに、プライマリケア でそれを促進しようという施策上の動きがあるとのこと。

現場の医師、NPの意見を聞いたもので、当然ながら、NP数増加やNPの業務拡大に関して真反対の意見となっている。

このギャップを埋めるには、相互公開対話が必要らしい
http://www.medpagetoday.com/PrimaryCare/GeneralPrimaryCare/39180

Perspectives of Physicians and Nurse Practitioners on Primary Care PracticeKaren Donelan, Sc.D., Catherine M. DesRoches, Dr.P.H., Robert S. Dittus, M.D., M.P.H., and Peter Buerhaus, R.N., Ph.D.
N Engl J Med 2013; 368:1898-1906

米国医療システムは、医療労働計画上の曲がり角にあり、今、NPの供給、範囲の拡大を、医療施策としての提案がなされている。

この提案には、異論もある。

972名のプライマリケアに於ける臨床家(医師 505、 NP 467) へのアンケート
内容は、労働範囲、医療行為特性、NPの役割拡大への反応

医師、NPより労働時間長く、より患者を多く診察し、収入が高い。

NPの80.9%は、医師とともに働くが、
NPとともに働く医師は、41.4%

NPでは、医師より、medical homeを主導すべきだと思っており、入院特権を許されるべきだと思っている比率が高い。

同じ外来状況で医師がNPより検査・コンサルテーションの質が高いか質問すると、医師では66.1%がそれに同意し、NPでは75.3%がそれは違うと反論する。

看護とケア、介護の違いの議論って、介護保険の時、少し出たが、曖昧のまま・・・「保険制度導入ありき」の矛盾具有のまま、現在に至っている。
今度は、看護と医師業務の相違に関する議論なく、看護の業務拡大の方向に日米とも暴走しつつある。業務特性は行政がその気になれば恣意的に変化可能であるが、一度、進んだ道は後戻りしにくい。「柔道整復」の制度をみれば明らかで、一度、業務範囲拡大してしまうと、その縮小はほぼ不可能と思われる。
 一方、糖尿病へのACE阻害剤/ARB処方一切無し、喘息治療に吸入ステロイド一切無し、
成人気道感染にセフェム系薬剤処方、薬物依存をわざと作ってるとしか思えない処方、花粉症にステロイド・デポ注、慢性じんましんにセレスタミン処方、漢方診察無しの漢方処方など、その知識を疑われる医師たちが多いのも事実。マニュアル実践忠実な看護師たちにその業務を担ってもらった方が随分ましだろうと思うことも多い。劣化特性をもつ医師たちの追放促進に役立つのならそれしかないのかもしれない。
e.g. 高齢医師を監視下に 2012/12/17 自分自身も例外じゃないことを重々承知で・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note