短期的エストロゲン治療で、尿上皮細胞性変化をもたらし、尿路感染防御的になる
エストロゲン補充2週間で、抗菌ペプチドの発現増加により、防御メカニズムとして働く。反復尿路感染閉経後女性では、2週間程度のエストロゲン補充は、合理性があるのかもしれない。
Estrogen Supports Urothelial Defense Mechanisms
Sci Transl Med 19 June 2013: Vol. 5, Issue 190, p. 190ra80
Sci. Transl. Med. DOI: 10.1126/scitranslmed.3005574
疫学的にもエストロゲンが尿路感染に病因的に働く、しかし、その基礎づけメカニズムは不明。閉経後のエストロゲン補充にて再発感染リスク減少が知られている。
エストロゲンが宿主・病原体相互作用へ影響を与え、尿路感染病態形成後の経過に関わる可能性を検討。
閉経前・閉経後女性からの尿路上皮細胞をエストロゲン補充前と2週間後検討、さらに、大腸菌尿路感染マウス感染モデルでのエストラジオールの影響を検討。
ヒト尿路上皮cell line2つで、エストロゲンによる細胞上皮防御メカニズム同定。エストロゲンは抗菌ペプチドの発現を誘導し、尿路上皮の抗菌能を促進し、細菌増殖を制限する。
加えて、エストロゲンは、細胞・細胞相互蛋白の発現・再配列を促進し、感染中の上皮細胞の過度な損失を防御する。
これら2つの作用で、細菌の尿路上皮深部層到達を防御し、感染再発の貯蔵元としての働きを防止する。
この研究により、閉経後女性へのエストラジオールのベネフィットメカニズムの一部が示された。反復尿路感染閉経後女性でのエストロゲン投与を支持する知見である。
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