2013年6月19日水曜日

【急性虚血性卒中】少しでも早く治療を:発症からtPA治療開始までの時間:Onset to treatment (OTT)

tPA静注のベネフィットは時間依存性であるが、Onset to treatment (OTT) time の特性に関してサンプルサイズが限定されてるため、明確ではなかった。

OTT早いほど、院内死亡・脳内出血少なく、自立退院・居宅直接退院多いことを確認


症状発症4.5時間未満(the Get With The Guidelines-Stroke Program)での虚血性卒中58,353名のデータ解析


Time to Treatment With Intravenous Tissue Plasminogen Activator and Outcome From Acute Ischemic Stroke
Jeffrey L. Saver,  et. al.
JAMA. 2013;309(23):2480-2488. doi:10.1001/jama.2013.6959.

年齢中央値72歳、女性 50.3%
OTT time中央値144分(IQR, 115-170)、0-90分:9.3%(5404)、91-180分:77.2% (45 029) 、181-270分:13.6%(7920)

治療前 National Institutes of Health Stroke Scale 中央値は、11で、87.7%、IQR 6-17

OTT短縮と強く相関する患者要素は、卒中重症度高いこと (オッズ比 [OR], 2.8; 95% CI, 2.5-3.1 per 5-point increase),、救急到着(OR, 5.9; 95% CI, 4.5-7.3)、regular hour到着(OR, 4.6; 95% CI, 3.8-5.4)。

全体として、院内死亡 5142(8.8%)、脳内出血 2873 (4.9%)、退院時自立退院達成 19,491(33.4%)、自宅への退院 22,541(38.6%)

OTT早いほど、15分毎に、院内死亡率減少 (OR, 0.96; 95% CI, 0.95-0.98; P < .001)、有症状脳内出血減少 (OR, 0.96; 95% CI, 0.95-0.98; P < .001)、自立退院達成増加 (OR, 1.04; 95% CI, 1.03-1.05; P < .001)、居宅への直接退院増加(OR, 1.03; 95% CI, 1.02-1.04; P < .001)


こういうのって、社会基盤体制が大事なんだけどなぁ

人口の大部分がこの恩恵に預かれるように、基盤体制整備対応すべきと思う
結果的には、卒中による合併症や併発症による社会的コスト・個人の負担が減る可能性は高いと思う

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