2013年7月23日火曜日

緑茶・紅茶の心血管疾患への一次予防直接エビデンス ・・・ 存在しないに等しい

飲用物の健康への効果研究いずれもがエビデンス品質レベルが低く、断定するにはほど遠い。だが、マスメディアや軽口評論家により、断定的な話にすり替わり、市井に流布していく・・・そして、業界がそれを利用し、宣伝に使う・・・そういう悪循環。


以下のCochraneレビューの結果だと、心血管疾患一次予防効果としての緑茶・紅茶の検討研究、特に、長期研究は、かなり稀。故に、心血管疾患予防効果としてのエビデンスは限定的。CVDリスク要素への改善効果を示唆する限定的いエビデンスは存在する。
だが、それぞれの解析に値する検討数が少なすぎるため、取り扱いには注意が必要で、長期フォローアップを有する質の高い研究が必要。

これがホントなら、LDL値の変化、血圧の変化を見れば、心血管疾患アウトカムへ影響与えるほどのインパクトだと思う。COI配慮された第三者機関が高品質なトライアルすれば良いのだが・・・


Green and black tea for the primary prevention of cardiovascular disease
Louise Hartley, et. al.
Editorial Group: Cochrane Heart Group
Published Online: 18 JUN 2013
Assessed as up-to-date: 12 OCT 2012
DOI: 10.1002/14651858.CD009934.pub2

緑茶・紅茶に関するRCTは11で、対象被験者は 総計 821名
緑茶は7つ、紅茶は4つ
アウトカムとして心血管イベントを採用したのは無し
紅茶では、LDL、コレステロール血圧(収縮期、拡張期血圧)で減少効果
血圧(収縮期 : MD -1.85 mmHg, 95% CI -3.21 〜 -0.48、 拡張期 (DBP): MD -1.27 mmHg, 95% CI -3.06 〜 0.53);何れも6ヶ月間
感度分析安定だが、トライアル数がかなり少なく解析に適せず、バイアス・リスク存在


緑茶も統計学的に有意減少効果:総コレステロール、血圧
血圧(収縮期血圧 (SBP): MD -1.85 mmHg, 95% CI -3.21 〜 -0.48、 拡張期血圧 (DBP): MD -1.27 mmHg, 95% CI -3.06 〜 0.53);何れも6ヶ月間
これも、検討数が少なく解析に適せず、さらには感度分析不安定
副作用イベントは5研究で行われ、前立腺がん、インフルエンザ入院、虫垂炎、網膜剥離などだが、ダイレクトな介入寄与可能性は少ない。
LDL(差平均(MD) -0.43 mmol/L, 95% 信頼区間 (CI) -0.56 〜 -0.31)
LDL(差平均 -0.48 mmol/L(-18.6 mg/dL), 95% 信頼区間 (CI) -0.77(29.8) 〜 -0.46(17.8))



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