2013年7月23日火曜日

朝食抜きは冠動脈性心疾患増加へ働く ・・・ 肥満・高血圧・脂質異常を介して

ダイエット法として朝食抜きを勧めるテレビ放映を見ることがある。

食事のタイミングと概日リズム・健康代謝への影響が齧歯類で報告されている。朝食なしでは肥満・脂質蓄積性に働くこととなる(Fuse et al. Journal of Circadian Rhythms 2012, 10:4)。また、高血圧、特に夜間高血圧・早朝高血圧と塩分排泄・塩分感受性との関連性の問題も話題。

以下の論文は、ヒトの前向き観察研究で、朝食と冠動脈疾患発症との関連性を検討

Prospective Study of Breakfast Eating and Incident Coronary Heart Disease in a Cohort of Male US Health Professionals
Leah E. Cahill,  et. al.
Circulation. 2013; 128: 337-343
doi: 10.1161/​CIRCULATIONAHA.113.001474

背景—成人において、食事を抜くことは体重超過、高血圧、インスリン抵抗性、空腹時脂質濃度増加と関連する。しかし、食事構成にかかわらず特異的な食事習慣が冠動脈疾患(CHD)リスクに影響を与えるかはまだ不明。この研究の目的は、前向きに食事習慣とCHDリスクを検討すること

研究方法と研究結果—朝食を含む、食習慣を1992年に、Health Professionals Follow-up Study の心血管疾患・がんのない、45-82歳アメリカ人26,902名

16年間フォローアップ期間風、1527のincident CHD症例診断
Cox比例ハザードモデルを用い、相対リスクと95%信頼区間を推定し、住民統計・食事・ライフスタイル・他のCHDリスク要素補正。
朝食抜き男性は、朝食を抜かない男性に比べ、CHDリスク27%高い(相対リスク, 1.27: 95% 信頼区間、 1.06-1.53)

夕食遅くない場合に比べ、夕食が遅い場合は、CHDリスク55%高い (相対リスク, 1.55; 95% 信頼区間 1.05-2.29)

これらの相関は、BMI、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病によるもの
食事回数(1日あたりの回数)と、CHDリスクに相関認めず

結論—朝食の存在は、この男性医療従事者コホートにおいて、CHDリスク減少と関連した。

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