対して、Stage III 、IVに関しては、 31.1% vs 59.1%で、通常のレントゲンの方が感度が高い。
検査陽性となった症例のうち実際の疾患の比率を、陽性的中率: Positive Predictive Value(PPV)という、また、陰性とでた症例のうち実際の疾患でない比率を、陰性的中率: Negative Predictive Value(NPV)という。
通常のレントゲン検診でもこの陽性的中率5%程度で、低放射線量CTにおいては2%代。すなわち、検診で異常といわれた50名に一人程度しか実際には肺がんではないこととなる。
毎年、この検診を続けてるとすると、「よく言えば治癒可能性の高い症例を多く見いだす、悪く言えば治療が少々遅れても生存・合併症と関連性が少ない症例・検査治療による副作用の方が問題となる症例を多く見つけただけ」の"Stage Shift"が生じる。
CT検診では、このStage Shiftが、通常のレントゲン検診より目立つという結論。
Results of the Two Incidence Screenings in the National Lung Screening Trial
Denise R. Aberle, et. al.
for the National Lung Screening Trial Research Team
N Engl J Med 2013; 369:920-931September 5, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1208962
【背景】NLSTトライアルでは、低放射線量ヘリカルCT年次検診(round T0、T1、T2)と、胸部レントゲン比較で、肺がん死亡率減少の可能性が示唆された。ここでは2つの、round T1、T2の検討
【方法】検診プロトコール参加アドヒアランス率評価、検診結果と、downstream 診断検査、肺がん症例の特性、初回治療を評価し、両検診方法のパフォーマンス特性を推定。
【結果】 T1 と T2 roundで、低放射線量CT群 陽性率、27.9%、16.8%、レントゲン群 陽性率 6.2%、5.0%
低放射線量CT群で、
T1 roundにおいて、感度 94.5%、特異度 72.6%、PPV 2.4%、NPV 99.9%
T2 roundにおいて、PPV 5.2%に増加
レントゲン群で、
T1 roundにおいて、感度 59.6%、 特異度 94.1%、PPV 4.4%、 NPV 99.8%
T2 roundにおいて、感度およびPPVも増加
病期既知肺がんにおいて、
T1 roundにおいて、低放射線量CT群 stage IA 87(47.5%)、 stage III/IV 57(31/1%)
レントゲン群 stage IA 31(23.5%)、 stage III/IV 78(59.1%)
この病期分布の差は、T2 roundでも持続
【結論】
低放射線量CTは、肺がん早期発見により感度高いが、PPVはレントゲン検診より低い。
レントゲン検診と比較した場合、2つの年次低放射線量CT検診の年間発見率は、進行がん数減少をもたらし、早期診断肺がん数を増加させる
Funded by the National Cancer Institute; NLST ClinicalTrials.gov number, NCT00047385.)
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