2013年9月5日木曜日

肺がん低放射線量CT検診では通常レントゲン検診よりStage Shiftめだつ 検査陽性であってもほんとのがん・・・数%の世界

CTスキャン検診は、悪性腫瘍検出感度はかなり高く、94.4% vs 59.6%で、Stage IAに関してはほぼ2倍 45.7% vs 23.5%
対して、Stage III 、IVに関しては、 31.1% vs 59.1%で、通常のレントゲンの方が感度が高い。

検査陽性となった症例のうち実際の疾患の比率を、陽性的中率: Positive Predictive Value(PPV)という、また、陰性とでた症例のうち実際の疾患でない比率を、陰性的中率: Negative Predictive Value(NPV)という。

通常のレントゲン検診でもこの陽性的中率5%程度で、低放射線量CTにおいては2%代。すなわち、検診で異常といわれた50名に一人程度しか実際には肺がんではないこととなる。

毎年、この検診を続けてるとすると、「よく言えば治癒可能性の高い症例を多く見いだす悪く言えば治療が少々遅れても生存・合併症と関連性が少ない症例・検査治療による副作用の方が問題となる症例を多く見つけただけ」の"Stage Shift"が生じる。

CT検診では、このStage Shiftが、通常のレントゲン検診より目立つという結論。

Results of the Two Incidence Screenings in the National Lung Screening Trial
Denise R. Aberle, et. al.
for the National Lung Screening Trial Research Team
N Engl J Med 2013; 369:920-931September 5, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1208962

【背景】NLSTトライアルでは、低放射線量ヘリカルCT年次検診(round T0、T1、T2)と、胸部レントゲン比較で、肺がん死亡率減少の可能性が示唆された。ここでは2つの、round T1、T2の検討

【方法】検診プロトコール参加アドヒアランス率評価、検診結果と、downstream 診断検査、肺がん症例の特性、初回治療を評価し、両検診方法のパフォーマンス特性を推定。

【結果】 T1 と T2 roundで、低放射線量CT群 陽性率、27.9%、16.8%、レントゲン群 陽性率 6.2%、5.0%

低放射線量CT群で、
T1 roundにおいて、感度 94.5%、特異度 72.6%、PPV 2.4%、NPV 99.9%
T2 roundにおいて、PPV 5.2%に増加

レントゲン群で、
T1 roundにおいて、感度 59.6%、 特異度 94.1%、PPV 4.4%、 NPV 99.8%
T2 roundにおいて、感度およびPPVも増加

病期既知肺がんにおいて、
T1 roundにおいて、低放射線量CT群 stage IA 87(47.5%)、 stage III/IV 57(31/1%)
レントゲン群 stage IA 31(23.5%)、 stage III/IV 78(59.1%)
この病期分布の差は、T2 roundでも持続

【結論】
低放射線量CTは、肺がん早期発見により感度高いが、PPVはレントゲン検診より低い。
レントゲン検診と比較した場合、2つの年次低放射線量CT検診の年間発見率は、進行がん数減少をもたらし、早期診断肺がん数を増加させる

Funded by the National Cancer Institute; NLST ClinicalTrials.gov number, NCT00047385.)





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