2013年9月5日木曜日

eGFR:シスタチンC値を判断に加えたほうが、予測因子としての価値があがる


糸球体濾過量、すなわち、GFRの推定(eGFR)のため、シスタチンCを血中Crに加えることで、正確性は増すが、その検出、病期分類づけ、リスク分類への影響は、住民横断的には不明であった。

11の一般住民研究のメタアナリシス(90,750名)、5つのコホート(2690名)
血中CrとシスタチンCを標準化測定法で評価

eGFRを、血中Cr、シスタチンCそれぞれ単独、組み合わせで計算し、死亡(15コホート、 13,202)、心血管死(12コホート、3471)、ESRD(終末期腎障害)(7コホート, 1654)
シスタチンCを用いた再分類で、評価改善するかどうか?

結論は、シスタチンC単独、あるいは、Crとの組み合わせ判断で、eGFRと死亡・ESRDリスク相関性が高まる。


Cystatin C versus Creatinine in Determining Risk Based on Kidney Function
Michael G. Shlipak, et. al.
for the CKD Prognosis Consortium
N Engl J Med 2013; 369:932-943September 5, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1214234



一般住民コホートで、60 ml/min./1.73 m2 BSA未満例は、シスタチンC値ベースeGFRは、sCr ベースeGFRより頻度多い(13.7% vs. 9.7%)

すべてのeGFRカテゴリー横断的に、 eGFRにシスタチンC測定値高値を加えることで、3つのアウトカム(全死亡、心血管死、ESRD)に対して予測性改善をもたらす

特に
・死亡 0.23 (95% 信頼区間 [CI], 0.18 to 0.28)
・ESRD 0.10 (95% CI, 0.00 to 0.21)

5つのCKDコホートでも結果はほぼ同様


CKDという概念、個人の健康への指標としての評価と、住民ベースの健康評価という二側面があり、それが十分峻別されてないのでは? ・・・ という疑問に打ち当たる。

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