2013年11月26日火曜日

特発性肺線維症:herpesvirus saimiriとの関連性 ← 診断治療革命的発見?

オハイオ州大学包括的がんセンター研究者の報告

Modern Pathology誌のオンライン報告で、特発性肺線維症との関連性の発見

Herpesvirus salmiriは、γーヘルペスウィルス・ファミリーで、一部はすでに動物における肺線維症の原因として知られていた。T-cellリンパ腫や白血病のNew World monkeyでは発症するが、健常宿主では発症せず。 このウィルスの増殖的感染は4つのpirated mammnalian protein(IL-17、サイクリンD、チミジル酸シンターゼ (FAD:フラビタン依存性チミジル酸合成酵素)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dihydrofolate reductase、DHFR))と関連
(pirated; viral piracyとは、大型dsDNAウィルスで、ウィルス免疫調整蛋白と、ホストの蛋白の配列同等性により、ホストからpirateされる状況)
EBウィルスやCMV、HSVなどのヘルペスウィルスとの関連性もあるかどうかの研究からの発見。


Idiopathic pulmonary fibrosis is strongly associated with productive infection by herpesvirus saimiri
Virginia A Folcik1 et. al.
Modern Pathology advance online publication 15 November 2013;
 doi: 10.1038/modpathol.2013.198

特発性肺線維症に於ける、γーヘルペスウィルスの役割を検討
21のパラフィン固定肺生検病変を年齢マッチ化標本と比較
γ−herpesviruses’ DNA/RNAのシリーズを検査、In situ hybridaization、 RT-PCRベースメソッドで検討し、再生上皮細胞のco-expressionとして発現されているγ−ヘルペスウィルスのゲノム(cyclin D、thymidylate synthase、 dihydrofolate reductase、 interleukin-17)の4つの発現蛋白を検知し、対照では検知せず。γ-ヘルペスウィルスのうち、herpesvirus saimiri のみが、この4つのペア化ほ乳類蛋白を有している。

IPF症例を独立したプローブセットを用いIPF 21/21で、再生上皮細胞内に、herpesvirus saimiri DNAを検出したが、21の対照では認めず


DNA polymerase herpesvirus saimiri 遺伝子に対応するゲノムの一部配列をクローン化し、公表されたウィルス配列と100%マッチすることが示された。


これらのデータにおいてherpesvirus-誘起肺線維症と特発性肺線維症とは一致した


ウィルス増殖・ウィルス関連蛋白への治療にて進行が抑えられる可能性が出てきた。


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