2014年1月28日火曜日

殺虫剤DDT:アルツハイマー型認知症発症関連性密、APOE4alleleリスク状態でさらに影響受ける

DDE(Dichlorodiphenyldichloroethylene )は、殺虫剤DDT(dichlorodiphenyltrichloroethane ) 代謝産物
その血中濃度とアルツハイマー型認知症AD)との関連性 を評価したもの。

血中DDE濃度はアルツハイマー型認知症発症リスクと相関し、APOE4 ε4 alleleキャリアではその発症感受性かなり高くなる。メカニズム考察として、神経芽細胞への蓄積し影響が示唆された。

Elevated Serum Pesticide Levels and Risk for Alzheimer Disease
Jason R.  et. al.
JAMA Neurol. Published online January 27, 2014. doi:10.1001/jamaneurol.2013.6030

症例対象研究:AD症例 86 vs 対照 79
主要アウトカム測定:血中DDE濃度、AD診断、AD重症度(MMSEスコア)、それとAPOE genotypeとの関連性

DDE濃度は、AD vs 対照 3.8倍 D (mean [SEM], 2.64 [0.35] ng/mg cholesterol) vs mean [SEM], 0.69 [0.1] ng/mg cholesterol; P < .001)

DDE最大3分位で、ADリスクオッズ比 4.18  (95% CI, 2.54-5.82; P < .001) 、 Mini-Mental State Examination score低値 (−1.605; range, −3.095 to −0.114; P < .0001)

DDE最大3分位のMMSEスコアは、APOE ε 4 allele保有サブグループで低値 vs APOE ε3 allele (P interaction = .04)

血中DDE濃度は、脳内のDDEレベル高値と高度相関 (ρ = 0.95)

ヒト神経芽細胞へのDDT、DDE暴露は、アミロイド前駆蛋白濃度増加をもたらす


1943年頃のDDT大量生産化と、マラリア撲滅の成功

日本は太平洋戦争まっただ中で、日本普及が一部しか無かったことは幸い。それでも、のみ・しらみ対策でDDTのシャワーを戦後あびた日本人は多いだろうが・・・

米国などは大量に散布されていた。1980年までそれは続いてたわけで・・・そりゃ、深刻だろう。

http://nouyaku.net/tishiki/REKISHI/reki2.html
使用開始から30年の間に全世界で300万トン以上に及ぶDDTが散布されたと推定されます。地球表面全てがうっすらと白くなるほどの量だそうです。
「日本では昆虫の撲滅を目的としたアメリカのような大量散布は行われていませんでしたが、サイレントスプリングは「沈黙の春」と和訳され、やはり大きな話題となります。殺虫剤の使用方法の違いなどはあまり考えられることもなく、DDTが悪いという風に話が単純化されてしまったようです。そのせいか、世界の中でも先陣を切って1969年には稲作への使用禁止を指示、1971年には全面的な販売停止となりました。」

https://ja.wikipedia.org/wiki/DDT
製造特許を持つガイギー社は、製品の海外輸出を禁じていた。アメリカから日本に輸出されたものは、連合軍からの援助として特別に許されたものであった。そのため、日本の農薬会社の関心は、次第にBHC(ベンゼンヘキサクロリド)に向けられていったのである。
2007年現在で主に製造している国は中国とインドで、主に発展途上国に輸出されマラリア対策に使われている。農薬としても一部では使用されており、残留農薬となったDDTが問題になることもある。
DDTの分解物のDDE、DDAは非常に安定しており分解しにくく環境中に長く留まり影響を与える可能性があり、また食物連鎖を通じて生体濃縮されることがわかった。

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