2014年5月13日火曜日

住民レベルコホート研究:高齢者において、尿中レスベラトロールと炎症・心血管イベント・がん発生・有病率の関連性認めず

 グレープ、赤ワイン、チョコレート、特定のベリー類に含まれるポリフェノールである、レスベラトロールは、ヒトで抗酸化、抗炎症、抗がん作用を示すことが知られ、特定の下等生物での寿命促進効果が示されている(猿のインチキ報告・スキャンダルも ← 某フォトショップ詐欺:Dr Dipak Das (University of Connecticut) は、例のフォト編集詐欺(http://www.theheart.org/article/1339923.do)のごとく、赤ワイン単独の効果をフラボノイド全般の心血管健康改善効果に誘導する詐欺が行われていた)。


皆様の受信料でペテン放送をおこなったNHKスペシャル、レスベラトロールなどを題材にして過大報道していたネタでもある。

サーチュインが長寿に果たす役割ははっきりしない ・・・ あなたが太ったネズミなら別かも・・・ 2011年 11月 09日 

 

 ヒトで検証されてない仮説を大々的に放送する、NHK。その資金は私たちの受信料。



レスベラトロールの実地的検証は未だ見いだされてない。
下記ごとく、尿中代謝産物濃度と健康アウトカムの関連性検証にも失敗している。
Red Wine Antioxidant Fails to Lengthen Lives in Study
 http://www.bloomberg.com/news/2014-05-13/red-wine-antioxidant-fails-to-lengthen-lives-in-study.html

→ Johns Hopkins大学のStatement 
  • Diets rich in the antioxidant resveratrol don’t reduce deaths, cardiovascular disease or cancer, a new study finds.
  • Resveratrol is found in red wine, dark chocolate and berries and was believed to confer health benefits.
  • Excitement over resveratrol followed studies documenting anti-inflammatory effects in lower organisms and increased lifespan in mice fed a high-calorie diet rich in the compound.
  • These foods may still be good for you, but resveratrol is not the reason.
  • Researchers tested urine samples from 783 people Italians over the age of 65 for resveratrol levels.




 前向きコホート研究:Invecchiare in Chianti (InCHIANTI) Study (“Aging in the Chianti Region”), 1998 〜 2009 、エリアの2村、783名の地域住民男女65歳以上のサンプル
暴露要素は、24時間尿中レスベラトロール代謝物
プライマリアウトカムは、全原因死亡率、セカンダリはCRP、IL-6、IL-1β、TNF測定値と、癌・心血管疾患発生率・有病率


結論から言えば、高齢者住民レベルの調査では、尿中レスベラトロール濃度と、血中炎症マーカー、死亡率、がん・心血管疾患有病率・発生率の関連性は認めなかった


Resveratrol Levels and All-Cause Mortality in Older Community-Dwelling Adults
Richard D. Semba,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online May 12, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.1582


レスベラトロール代謝物尿中代謝濃度総数対数平均(95%信頼区間:CI)は、  7.08 (6.69-7.48) nmol/クレアチニンg

フォローアップ9年間で、268(34.3%)被験者死亡。

尿中総数総代謝物濃度4分位最小から最大区分に於ける被験者死亡率比率は   34.4%, 31.6%, 33.5%, and 37.4%, (P = .67).


尿中レスベラトロール最大vs最小4分位区分死亡率比較で、寄与要素補正後多変量Cox比例ハザードモデルにおけるハザード比は、 0.80 (95% CI, 0.54-1.17) 

尿中レスベラトロールと血中CRP、IL-6、IL-1β、TNF、心血管疾患、がん罹病率・発生率との予防的関連性みとめず 

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note